2013年01月

2013年01月24日

雪景色@パロ谷 2

 こんにちは。クズザンポラ―。
1月となり、日本では冬将軍がやってくる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしですか?

私がブータンで暮らし始めてから、2012年、2011年共にパロ谷には1月の第1週に初雪が降りましたが、今年は少し遅れていました。いつ降るのかなぁ~と思いながら過ごしていたある日の朝、

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1月19日の朝、パロ谷にも今シーズンの初雪が降りました。

昨年、一昨年に比べても、今年はしっかりとまとまった雪が降りました 昨夜は特別に寒さを感じることもなかったので、ドアを開けて初雪に気づきました。さて、雪の中でも出勤をしなければいけません。

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うわぁ~本当によく積もったなぁ、と思いながら雪道を歩きます。以前にもご紹介した、私の通勤路も雪に覆われて、滑りながらも美しい風景に染まりました。

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特に、最大の難関だったのは、階段でも岩道でもなく、

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竹林のゾーンでした。長くのびた竹ですが、雪の重みでとてもしなやかにたおやかに地面ぎりぎりまで曲がり、枝の中をかき分けて、道を探し探し歩くにはとても迷宮、ラビリンスな感じでした。竹ってこんなに曲がるのかぁ、と雪まみれになりながら実感しました

さて、ブータンでの初雪や冬と言えば、日本の方がイメージするほど、冬の首都ティンプーやパロは日中は寒くなく、積雪があるのは年に数回(「雪景色@パロ谷」)と言うことや、初雪が降った日は自動的に公共機関がお休みになる(「ロレと初雪」)ことをご紹介しましたが、この日も博物館やオフィス、銀行などがお休みになりました。ひて、みんなで雪合戦をしていました

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日本とブータンの雪の大きな違いは、ブータンは標高が高く日差しが強いため、たくさん雪が降っても翌日にはかなり大部分が溶けていくということです。ぜひ、写真に納めなければ、と思う場合は、その日のうちに写真に撮らないと翌日は雪景色がほとんどなくなってしまいます。

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午前中はずっと雪が降っていたので、降りやんだ午後にお散歩に町まで行った際には、既に雪が消えかけていきました。

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雪化粧のブータンの風景も、風情があっていいですね♪ 

続きます。

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:怠け者でも雪が降ればはしゃぎます!
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2013年01月18日

プナカの夕暮れと帰り道

 こんにちは。クズザンポラ―。

先週は、パロよりも標高が1,000m以上も低く、冬場も比較的温暖な古都プナカに出張へ行っていました。私の職場は、田んぼと山に囲まれ、川沿いにあり、通勤路に選択肢があるのですが、あえて道路よりも田んぼのあぜ道を歩いてみたりします。 

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この日は、お昼を食べた後にちょっとお散歩へ。

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途中で人だかりができていました。何しているのかな?

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クボタのトラクターの荷台の上で、乾燥させた菜っ葉の卸売りです。田んぼでも悪路でも気にせず進み、そのまま運んで来て、車を停めるだけで販売所になってしまうなんて、いやぁ~トラクターって本当に便利です。

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この菜っ葉を品定めしていたお母さんが、写真を撮って~とやってきました。隣のお婆さんとはご家族でしょうか、目元が似ていました。

夕方は、メインの通勤路の方をお散歩してみました。

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車もたまに通るだけの道路ですが、薪を大量に背負って働いているグループに出会いました。あ、あれ、、この女性達の衣装に見覚えがあります。ヤクと羊の毛を使って織りあげた厚手の生地で、黒色がベースのコラとズムを着るのは少数民族のラヤッパだぁ~シンプルかつ力強いライフスタイルの遊牧民であるラヤッパ達に出会うと、いつも嬉しくなってテンションが上がります

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そんな気持ちが伝わるかのように、一目散に駆け寄って寄って来てくれる子供達。

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でも実際に私に近づくと、なんだか急に恥ずかしくなってしまう、とってもキュートで愛らしい子です。以前にも書きましたが、ラヤッパ達は標高4,000mを越える氷河地形の高所で高山動物のヤクを遊牧して暮らす彼らは、冬の間はプナカまでおりて来て、毎年だいたい決まった農家にホームステイをして冬を越します。彼らが運んできたヤクのバターやチーズ、毛皮とプナカで育てたお米を交換し、3月ころに戻ります。

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それでも冬の間でも、ヤクの面倒は見なければいけません。多くの場合は女性と子供達がプナカまでおりてきて、男性は3,000m前後の場所でヤクと共に残ります。

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はしゃいで走ってきた男の子も、よく見てみると小さな体にお母さんと同じだけいっぱいに薪を背負い、ヘンな日本人(私)に会えば、誰よりも率先して前にでて、その表情はなんともたくましくて頼りになります。

プナカの朝と日本の夏休みでは夏の様子をご紹介しましたが、プナカの冬もやっぱり日本の昔ながらの懐かしさを、風景から、人々から、空気の透明感や匂いで感じさせてくれる場所で、大好きになりました。

少年よ、また会えたらいいね。今度は照れないで、お話ししてね。

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:僕の背中は頼りがいがありますか?

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2013年01月15日

病院へ行こう その4

 こんにちは。クズザンポラ―。
東京や関東地方でも積雪があった週ですが、みなさまいかがお過ごしですか?

今回は、私の現在の気持ちをなんとなく描写するブータンの写真を選んでみました。と言いますのも、現在、わたくし病気ですもうずいぶんと回復したので、ご心配には及びませんのでご安心下さい。

今まで医療のタググラウドでご紹介していますように、ブータンに来てからまさかの麻疹(はしか)や捻挫の怪我やら、日常でも発生するやけど等がありました。でも、不思議と風邪は一度も引かず、基本的には、体のつくりは頑丈に丈夫に育ちました

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しかし、ブータンで暮らすと3~4カ月に1回ほどの周期でお腹を壊すことがあり、それは下痢となって体が反応することが多くありました。しかし、今回はなんだかレベルが全然違う。。

ここからは、お食事中の方には適さない話題になりますのでご寛恕下さい。

初日は、お腹がぽっこりと膨れ、膨張感がある。あれ、こんなに食べすぎたかなぁと思うほどでした。2日目は、倦怠感があり、力がでず、数時間後に、ゲップが開始。口内に広がるのは卵の味。そして怒涛の水下痢が始まりました。結局、1日に30回はトイレに駆け込みました。

私は、この卵味のゲップの時点で自分に何が起きたのかを把握しました。

こ、こ、これは、、、

う、う、うわさの、、、 ジアルジア症(Giardia)です。通称、「卵ゲップ病」と可愛らしくない名前で呼ばれています。インドやネパール、ブータンなどの南アジアの他、全世界的に見られる寄生虫がもたらす感染症で、主に水を介して広がります。

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気になる方は、検索してみて下さい。ミジンコよりもシンプルな形をしたこの寄生虫が小腸内で悪さをします 症状としては、血を含まない下痢、お腹の膨張感、胃腸のガス、食欲減退などがあり、発熱はあまり出ないそうです。そして、なんといっても特徴的なのは、卵ゲップ。。

病気自慢をしても仕方がありませんが、実はアメーバ赤痢やデング熱も今までに経験し、保健所にもご迷惑をかけてきた私の体。でも、本当に、久々につらかったです 
海外青年協力隊でブータンにいる方にも有名なこのジアルジア、多くの方が患ったと報告を聞くたびに「大変でしたね~」とお返事をしていたものの、ブータンに来て2年半以上なんともなかった私は、自分の番になるとは思っていませんでした

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疾患した場所と滞在が田舎の地方で病院まで離れていたため、まずは水下痢でも下痢止めを飲まずにトイレに通い、脱水症状にならないよう水分を補給しながら耐えます。寄生虫の疑いがある場合の下痢は、無理に下痢止めで止めてはいけないとアメーバ赤痢の時に知りました。
日本にいると、下痢=下痢止めと考えがちですが、症状により判断しなければいけないのでご注意ください。ブータンでは日本と同じレベルの医療設備は望めませんが、国内で流行っている感染症の情報も含め、病院へ行くのが一番です。

また、このジアルジアですが、体内に入ってから約1~2週間のうちに発生(人により1週間以内だったり、それ以上のケースも)するらしいのです。
お腹を壊すと前日に何を食べたかをまずは疑いますが、この病気の場合はそれよりもずっと前まで遡って原因が発生しています。

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薬局に行って、「ジアルジアです」というと、「あ~それならこれ、この薬」とすぐ説明してもらえるほど、ブータンではポピュラーな病気でした。もちろん疾患しない方がいいし、私も注意してきたつもりですが、海外旅行をしたり、生活をする上では全てを防ぎきれないこともあります。
ジアルジアに対する予防接種(ワクチン)はありません。

そして、下痢がなんと体力と力を奪うこと。。回復はしてきましたが、あまり力が入りません

早く元気になりたいなぁ~。と思いながら、床に伏しつつ、もし今後、ジアルジアの症状が現れた方にこの情報が少しでも役立つことを願います。ただ、あくまでも最初に病院で診療してもらってくださいね。

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bhutan_diary at 23:10|PermalinkComments(6)■ブータンでの生活 

2013年01月08日

ブータンの子供のお風呂事情

 こんにちは。クズザンポラ―。

ブータンで見る風景の中で時間帯別にみると、遠くの景色を眺めるのであれば夕方の日の落ちる瞬間(「一日のうち、5分間だけ」)に見える光線の加減が美しくお気に入りですが、人々の暮らしを強く感じるのは朝の光景です。今までもフォブジカ谷の朝や、ブータンの朝ご飯民家で迎える朝などをご紹介してきました。朝の風景の中でも、私がとくに可愛いな~と思うのは、子供の洗顔や洗髪の様子です。

パロ谷は、ブータンの中でも、電気や水道が通っている割合が高い谷ですが、少し町の中心から離れるとまだまだのどかな暮らし。ブータンの石焼きお風呂・ドツォ温泉も人気がありますが利用できる環境にいる人は限られているし、蛇口をひねって簡単にお湯が出てくるお家はまだまだ少ないのです。

朝起きたばかりのこの子は、これから顔を洗ってお出かけをする準備をするところ。

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おばあちゃんに、顔と頭洗うの嫌だな~と言っているところ。自分の子供のころを思い出してみると、朝の寒さが苦手なのも、なんとなく面倒くさい気持にも、共感ができます。

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しかし、お母さんはそんな言い訳は聞いてくれません。軒先の前で、ぬるめのお湯を洗面器1杯用意をしてもらって、ここからは、膝に力を入れて髪の毛を洗い終わるまで我慢、我慢、我慢です

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シャンプーがしみないように、しっかり目をつぶって耐えている姿が実に可愛らしくて、応援してあげたくなります私は子供のころ長年シャンプーハットを使っていたのに、ブータンの子達はそんなもの無くっても両膝に力を入れて頑張るのです。

そして、洗面器1杯のお湯を、家族全員が大事に使います。本当に蛇口から簡単にお湯が出てくることって、すごく贅沢なことなんだなぁと気付かされます。

以前、古都プナカ近郊のチミラカンへ行く途中でも、赤ちゃんが入浴していました。

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ベビーバスにいれるお湯は、薪で沸かしてから、なぜかその後に電気ポットに入れて(恐らく電気が使える状況ではなかったのだと思います)、お湯を適温にして使っていました。

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とっても気持が良さそうです

さて、さっきまで頑張って耐えていた女の子は、洗髪が終わったらおばあちゃんのところに誇らしげに報告へ。

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そういいたくなる気持ち、なんだかわかります。

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その後は、民族衣装のキラを着せてもらって、お出かけの準備です。この日は、パロ・ゾンに新しく奉納された大タンカ(大掛軸)を見ようと多くの人がお洒落をして出かけました。

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髪の毛も顔も洗ってさっぱりしてから、お気に入りのキラを着てお出かけです。この後、髪の毛を結んで貰っていたのですが、写真に撮り忘れてしまいました。ごめんね、、ぼさぼさのところしか写してなかった

子供のしぐさはどの姿も愛くるしいですが、ブータンでは特に洗顔・洗髪に頑張る姿がとてもかわいらしいですね。

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:洗髪(洗毛)さいこぉ~

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2013年01月05日

ドゥック航空カレンダー 2013年

 こんにちは。クズザンポラ―。

新年を迎えまして、皆さまは本年度のカレンダーを使い始めていらっしゃるでしょうか?
近年のブータンでは印刷技術は一昔前よりも技術は上がったものの、それでも日本からのお土産は、美しい日本の風景の写真のカレンダーやポスターは今でも喜ばれるもののひとつです。

さて、私のカレンダーはと言いますと、今年も、、ドゥック航空の卓上カレンダーです。

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ブータンにも十二支があり、基本的には日本と同じですが、ブータン歴の5要素と性別が加わります。今年は、Water Female Snake Year です。私の干支は蛇ではないのですが、ブータンでの占いで「前世は蛇だった」と言われ、なんとなく勝手に親近感を感じた年明けでした。 

ドゥック航空のカレンダーといえば、2012年度版をかなり気に入っていたのですが(詳しくはこちら)、今年はどんな仕上がりになっているのでしょうか。どきどき

今年は、なぁ~んと、ドゥック航空が就航して30周年の記念年なのです

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ブータン国営航空のドゥック航空の1ファンである私は、今までもよくこのブログでご紹介してきましたが、今までの歴史を振り返ってみると、30年前からいろいろな制限の中で、よく頑張ってきたなぁと思います。今年のカレンダーは30周年を記念して、ブータンの子供達が書いた12枚の絵から作られました。

ブータンの美術教育が着実に根付いてきたことを感じさせる、素敵なカレンダーです。ブータンの子供達は、ドゥック航空のことをどのようにとらえているのでしょうか?

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この絵を描いたのは、ティンプーの小学校に通うサムテンくん10歳。畑の中で人々が飛行機を眺めている様子で、台詞にブータンらしさを感じます。走りながら「Gusa(待って~)」、「Adziiiii(こわいよ~)」と言っていたり、「Wai Tashi Rainbow da Druk air(ほら、タシ君、みてみて、ドゥック航空と虹だよ」と指をさし、「Waiiiiiii(お~い お~い)」と飛行機に向かって手を振る姿は、ブータンの人達の姿をよく表現しています。

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こちらはプロペラ機から昨年導入されたシャークレット搭載のエアバス機まで、歴代の機材を描いた力作。左側に書かれた4代目国王が、がっちりと飛行機をつかんでいる姿が印象的です。

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こちらは、黒ペンだけで描いたシンプルな作品。しかし、よく見てみると、各都市にドゥック航空が就航した都市や、世界各都市の特徴的な建築物も描かれ、ドゥック航空の歴史がよくわかります。更には、最初に運航した年、「1983年~1987年Dornier 228型18シート」やら、最新のボーイング社の機材・シート数まで書いてあります!素晴らしい

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よ~く見てみると、ブータンの国の象徴である雷龍・ドラゴンの羽に飛行機が描かれ、通常は雷龍は爪で宝石を持っているのですが、この絵ではドル紙幣が掴まれ、GNHとも書かれています。

国民総幸福量(GNH)は経済発展との両立を目指す開発思想と言えますが、日本ではGNHの紹介のされ方があまり「経済発展」の部分が取り上げられず、「ブータンの人達は30年前からみんな幸せ」といったような、短絡的な結論に導かれてしまうことが多いのですが、この絵を描いた小学生は経済発展の部分にも注目をしています。すごい!! 

そして、機長さんが「安全が全て」と言っています。ドゥック航空の「安全性」も、GNHに基づき「国民が安心できる暮らし」にも言及をしているようで、、、感動の1枚です。

私が選んだ最強の絵は、こちら。インドとの国境のプンツォリンの小学校に通う11歳のチョデンちゃんの作品。

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ドゥック航空がブータンに運んでくるものを挙げています。

ドゥック航空は私達の夢をかなえてくれる
ブータンはドゥック航空と共に飛躍する
ドゥック航空は世界との入り口を繋ぐ~医療と治療、友好関係、教育、ビジネス、休暇、雇用~

そして、Druk Airの頭文字から
= Destination is 100% (目的地に100%到着
= Reliability is 100%   (信頼度100%
= User Friendly is 100%(使いやすさ100%
=Kindness is 100%         (親切度100%
= Air crew's attention is 100% (乗務員のきづかい100%
 I = Institution of service is 100% (サービスの慣行100%
= Royal Treatment is 100% (気高いおもてなし100%

す、す、すっごい 凄すぎます、11歳にして、もう即、ドゥック航空に採用されるのでは?と思うような理解力。素晴らしい~。この絵を持って、ドゥック航空にチェックイン、搭乗したいです。こんなに応援してくれている子供がいるんだよ、と宣伝したいです。

ドゥック航空、30周年おめでとうございます。これからも、多くの人の夢を運んで下さいね。こんなに素敵な絵を描いて、楽しませてくれたブータンの子供達もありがとう。1年間、このカレンダーを楽しく大事に使います♪

6month

:その昔、僕のことも運んできてくれてありがとう
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