2013年11月

2013年11月30日

ブータンの遊び・パララ

 こんにちは。クズザンポラー。

先日、お昼過ぎにタクツァン僧院の駐車場へ出かけてきたのですが、駐車場の片隅から「ハッ」とか「ホィッ」というようなかけ声が聞こえてきました。

何をしているのかな~と、その人だかりをのぞいてみると、

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地面に座って、布と丸い台を置いて男性が陣を組んで真剣に向き合っていました。いつにない、この真剣な眼差しは、、、賭けですね(笑)。

そういえば、ブータン、いえ、チベット圏の人達は賭けごとが大好き。なんでも賭けにしてしまう風潮すらあり、このようなボードゲームから、ワールドカップのサッカーの試合も真剣にどちらのチームが優勝をするかまで。「こっちのチームが勝ったら車をあげてもいい」と予想が白熱していて、「本当に!!!!ねぇ、本当に本気で言っているの」と何度も聞き返したことを覚えています。

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タクツァン僧院へ行った観光客のお客様を待つ時間に、こうやって駐車場で運転手さん同志で時間を潰すこともあるんですね~~。運転手さんは一緒にタクツァン僧院へ登る場合もあるし、待機している時には駐車場の片隅は鉄火場に変わることもあり、まぁ、お金が増えるか増えないかは、その時の運次第でまさに一か八か

こういったシーンは他にも見たことがあります。

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このゲームは、「パララ」と呼ぶサイコロを使ったゲームで、日本のすごろくに似ています。使う道具は、サイコロが2つ、サイコロを入れるお椀となるツボ、そのツボを落とすパット、ゲーム盤はありません。そして合計63個の貝がらと、一人9個ずつのコイン(またはマッチ棒)。何人で遊ぶのが面白い?と聞くと、人それぞれですが3人または4人でやると良いと聞きます。

このゲームは、チベットではショ(Sho)と呼びます。「ショ」というのはサイコロのこと。ルールも若干、チベットとブータンでは異なりますし、ブータンの地方によっても少しづつ違うようです。ブータンでは、サイコロをツボに入れて振り落とす時に、パララパララパララパララ~とつぶやくため、このゲームをパララと呼ぶようになったのかなぁ。

外国人である私の友人が「パララ」を覚えたいということで、このパララセットを探しに行くことに。ブータンの友人に聞いても、パララのセットを買ったことがある人がいなく、家にあったものを使っているけれど、どこで入手したのかがわからないと言われ、どこに行けばいいのかわかりません。

「アンティーク等を扱うお土産物屋さんにはあるかもよ」と言われ、別にアンティークじゃなくていいんだけどな、と思いながらお土産屋さんに行ったのですが、見当たりませんでした。

う~ん、、、、こんな時は、、、、 

「仏具屋さんに行ってみよう」と思いました。

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お店に入ってからも「無いよなぁ~多分。。。」と心の中で思いながらも、ここに来た理由があります。

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というのも、サイコロ自体はブータンでよく見かけます。ブータンのお寺には、各寺院ごとのラッキーナンバーがあり、お参りをした時にサイコロをふるって、おみくじのように運試しをします。そのため、仏具屋さんにはサイコロが売っています。

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サイコロを降る台となるパットは、昔は高山動物のヤクの皮を使っていました。仏具屋さんには、ヤクの毛で作ったハタキもあるし、貝がらも昔のコインが並んでいるのも仏具屋さんで以前に見たことがあったからです。

あの~~パララ、売ってる??

『あるよ』


え!!!売っているの??

自分で訪ねて驚くのは失礼千万ですが、本当に売っているとわかってびっくり。

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お店のお父さんとお母さんが、貝がらをひとつひとつ数えて入れてくれました。ここにはコインが売っていなかったのですが、コインは日本の硬貨で代用することに。

肝心の遊び方のルールですが、私は見ている分にはなんとなく理解するのですが、自分が遊ぶとなると理解の範疇を超えわからなくなり、いつもまわりにいるブータン人に一緒にコインを動かしてもらっています 

もうわかんなーい、と投げだすとブータンの友人が「携帯アプリのゲームでもパララがあるから、それで覚えれば」とのアドバイス。

ええ~!!!パララって携帯アプリになるくらい、そんなに知名度があって受け入れられる遊びなの~~!!

ということで、こちらのサイトから遊び方のイメージをお借りしました。チベット版ショの遊び方です。

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なんとなくのイメージだけでも、伝わりますか?詳しい遊び方はリンク先のサイト、または真剣なまなざしで遊ぶブータン人の方に聞いてみて下さいね。

最近はこのゲームを町中の軒下などで遊ぶ人、パララパララパララ~という掛け声を聞く機会も以前より減りましたが、ブータン人男性はこのゲームをしながら友人達とお酒やお茶、日向ぼっこをするのが生来好きだったはず。

あまり賭けに熱くなり過ぎず適度に遊べるのであれば、携帯のゲームよりも、サイコロパットの上に力いっぱい振り落としながら仲間と語り合う、このパララの文化も廃れないでほしいですね。

そして、法要など仏教行事に必要なものを扱う仏具屋さんで、賭けごとであるパララのセットがおいてあったことは、俗なるものの中にも聖があるブータンらしさを感じます。どうつながっているのかもう少し調べてみたいですね。

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:賭けに勝ったらお土産は、お肉でお願いします

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2013年11月29日

ドチュラ峠からの眺め・3

 こんにちは。クズザンポラ―。

今日はプナカへパロ・ティンプー方面から向かう場合は、標高3,150メートルにある峠・ドチュラのドライブの模様をお伝えします。

ドチュラ峠については、12月13日に開かれるドチュラ・フェスティバルのことや、峠自体の観光風景をご紹介してきましたが、何度通っても近づくたびに「峠の頂上が晴れているかな」のドキドキ感があるし、春はしゃくなげが咲き乱れてとてもきれいで、飽きることがない峠です。

いつも立ち止まってゆっくりしたいのですが、今回は急いでいたので、全て車窓から撮った写真をご紹介します。

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どきどきしながら到着した、この日11月10日のドチュラは快晴!午前11時ころに通過しましたが、雲も少なく、遠くにブータンヒマラヤが見渡せました。いつもは、ここで降りて、写真をとって、108つのチョルテン(仏塔)をお参りして、、、というルートですが、今回はそのまま通過。

さて、峠の頂上を見渡すと満足する気持はわかるのですが、ここを通過しても、天気が良ければもう少し車窓の左側を眺め続けてみて下さい。

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ドチュラ峠を通過し、プナカ方面に下っていく時、頂上から15~20分程度のドライブはず~っとヒマラヤの山並みが眺められるのです。

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山道なのでカーブが多く、見えたり隠れたりを繰り返すのですが、

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峠とはまたちょっとちがった角度で車窓からの風景を楽しめるのです。ちなみに、こちらが7月の峠の様子。

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雲や霞が下から舞い上がるように峠を覆う姿も私は大好きなんです。霞の動きがなんだか神秘的で、今生きている一瞬の刹那は確実に過ぎているという、時の感覚を感じつつ、勢いがある動きに大自然の雄大さを感じます。

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こんなことをいつも思っているのですが、同じようなことを同タイトルでやっぱり書いていました(「ドチュラ峠からの眺め・2」)。同じような内容の記事になってしまってすみません でも、好きなものは好きなんですね。

雪山が見えなくなっても、この時期にはまだ車窓からの風景のお楽しみが残っています。

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これは、、後ろに咲いているピンクの花は、ヒマラヤ桜。この季節、ヒマラヤ桜はプナカ・ゾンでも見事に咲いています。そして、手前の赤い鮮やかな色の花は、ポインセチア。こんなにポインセチアが大きいなんて、鉢植えのものをクリスマスシーズンでしか見たことが無かった私は、とてもびっくりしました。

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以前、「ポインセチアとヒマラヤ桜」という記事でプナカの模様をお伝えしましたが、ポインセチアのトンネルもとっても素敵なのです。この季節にどんな種類の花が咲くということは、石楠花やブルーポピーを除けばあまり情報として知られていませんが、それが逆に思いがけない風景に出会った嬉しさにも変わります。

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11月半ばのプナカは、稲刈りがちょうど始まるころのシーズンで、パロは10月中旬には終わってしまうので、またもう一度黄金色の棚田を眺めることができたことも嬉しいですね。田植えや稲刈りも、当り前だけどこうやって地方ごとに少しづつ違うことや、それが彼らの生活スタイルの違いであるを、しみじみと思いました。

そして、出会った山羊さん親子かわいいな~

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あまりの可愛らしさに、鳴き声を真似していたら通りがかった子供達に笑われました。に、似ていなかったかな

ともあれ、ドチュラまでは山道が続きますが、峠付近では眠らずにちょっと車窓を眺めてみると、四季折々、何か発見があるかもしれません。

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:寝ていません、寝ていませんよ~

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bhutan_diary at 23:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ティンプー 

2013年11月26日

ブータンのおやつ・シップ

 こんにちは。クズザンポラ―。

今日は、ブータンのおやつ「シップ」をご紹介します。

以前にブータンでのおやつとしてご紹介したものは、家庭で作らず販売しているもので、珍しいものとしては「唐辛子入り手作りチョコレート」、ブータン伝統のとうもろこしをひしゃげたゲザシップをアレンジしたテングマー(最近全然見かけません)などがあります。

伝統のおやつといえば、シンプルでほのかに甘いクッキーのようなカプセ、旅のお供にもよく選ばれる乾燥チーズのチュゴ、とうもろこしを炒って自分でつくるポップコーンドライフルーツくるみなどもブータンでは人気があります。

昔からあるおやつの中でも、最も馴染みがあるのはお米でつくるお菓子で、どの家庭に行っても必ずと言っていいほどあるものは、お米を炒ってつくるザウです(ザウの作り方はこちら)。ザウの他には、お米をひしゃげて潰して作るシップがありますが、今回はこの「シップ」をご紹介します。

今回訪れた農家のお宅の離れから、シュッ、シュッ、ドン、ドンとテンポの良い音が聞こえてきました。

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お母さん達が、臼にいれたお米を杵のような道具で力強く叩いていました。杵と表現するよりも、中間の部分だけ握りやすく削った杖のような棒です。

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臼には、一晩以上水につけて浸したお米を炒ったものを熱々の状態のままいれて突きます。

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フライパンで水を含んだお米を炒る作業は、ほとんどザウと一緒です。参考までにザウの写真です ↓↓

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同じような作業なのですが、違いは材料。同じお米はお米なのですが、ザウは精米シップは籾がついたままのものを使います。

こちらが、シップ作りのために、水につけたお米を炒る前の状態。

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写真がぼけていてすみません。。。でも本当に黄金、いやちょっと少し黄緑がかった籾の色。

今までザウの作り方は何度か見たことがあったのですが、シップ作りは見たことがありませんでした。というのも、このシップを作る期間というのは、パロ谷では新米を収穫する前の9月半ばの数日間にしか行わないからなのだそうです。この農家を訪れたのは9月11日、パロ谷のこのエリアでお米を収穫したのは10月半ばなので、お米が実りきる1カ月前くらいの若い若い籾を使って作るのがこのシップなのです。この作業を行うのは、9月21日または22日(毎年日付が微妙に変わります)のBlessed rainy dayというブータンの祝日前後が多いようです。

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まだパチパチと音を上げる熱々の炒ったお米が臼に入ったら、2名がかりでお母さん達が突き始めます。私が遠くから聞いた声は、この作業のあいの手で「シュッ、シュッ」というのが掛け声なのだそうです。

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私もやらせてもらったのですが、あまりのへっぴり腰過ぎて、写真をアップするのは憚れてやめました 片手で、バランス良くこんなに力強く突けるお母さん達はすごい!!! この作業は女性がすることが多いそうです。大変なのになぁ~ 他の写真を見てみると、お母さんのおっぱいがぽろろ~んと写ってしまったものがあったのですが、それくらい勢いをつけて、力を入れて腕を上げる作業なんです!!!

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そしてさらに1名の方は、片手では突く作業をしながら、もう片方の手で持った薄いヘラのようなもので、臼の中に入ったお米を混ぜていきます。お餅をぺったんこ~ぺったんこ~とする時のあいの手、「えいっ」と「ほっ」とか、「よいっしょ」と「はい」を一人で同時にやっているようなものです。すご~い、器用。

そして、臼の穴が小さいことといったら。私も突いてみましたが、この穴の中に入らない。。。そして、そもそも、棒を片手で持ち振りあげる段階でふらふら。。

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突きの作業が終わったら、竹で編んだ箕を使って、籾を風で飛ばします。

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そうして出来上がったのが、このシップ。上にあがって、突き立てのシップを食べていきなさいとお誘いをうけて、初めて食べるできたてほやほやのシップ。

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シップには何もつけずにいただきます。まだほんのり温かく、みずみずしくて、お米のわずかな甘みと炒った香ばしさが口の中に広がります。シップは常用食とするため、時間が経てば固くなり、食感は硬めのコーンフレークとなり、主に朝ごはん代わりにお茶の中に入れて食べたりすることも多いです。昔々の「ほしいい」みたいなものですね。

私は、このシップを口の中に入れて柔らかくなるのを感じつつ噛みしめるのが好きなのですが、「ザウに比べてシップは固くて食べにくい」と観光客の方の声もありますが、それはやはり精米からつくるのか籾からつくるかの違いですし、栄養価も違います。ブータンの家庭でも、常用するし、1年も経っても食べれるけれど半年くらいでフレッシュなうちに食べるのがいいよね、と言っていました。

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手前左側はパロでも作っているジャポニカ米、右奥はインディカ米に近いお米を使って作ったシップ。右奥のシップの色が緑にみえるのは、まだ熟しきっていない若いお米を使って作るからこその自然の色。そして、ブータンの猫はこのシップを食べている姿もみます!!

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みなさまも民家訪問などでもいただく機会があるかもしれないシップ。是非、すこしづつ噛みしめながら召し上がって見て下さい。


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bhutan_diary at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)おやつ 

2013年11月25日

福の島の子供たちへ 6~富岡高校・いざ国立競技場へ!

 こんにちは。クズザンポラ―。

今日はブータンとは関係がありませんが、どうしても応援をしたい私の地元である福島県双葉郡の高校サッカーの話題です。

福島県立富岡高校サッカー部全国選手権、出場決定おめでとうございます 

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11月初旬の県大会を勝ち抜き、来月末には国立競技場を目指し、全国大会に出場をします。も~、本当に心から「よくがんばった~おめでとう」と伝えたい!!

来春は、2011年3月11日の大震災が起きた年に入学した高校生が、卒業を迎える年になります。

以前の記事で、大震災の直後、気になって県立高校合格発表の結果を県の教育委員会のウェブサイトをのぞいたことなどを書きましたが、その後も事あるごと、福島に帰省をするたびに気になっていました。もちろん、高校生も、中学生も、それより小さな子供達だけでなく、おじいさんやおばあさんたち、福島県だけでなく多くの人にとって多くの問題や不安が減らないことが気がかりでした。

自分の昔々の高校生時代を思い出すと、彼らが今回の全国大会出場へ向けてどんなに努力をしたかが想像できて、勝手に胸があつくなります。昨年度の惜敗したニュースを見た時に、

「ばらばらになってみて、心からもう一度みんなでピッチに立ちたいと思った。みんなで練習できる時間が限られたからこそ、チームプレーがもっと良くなったと思う。全国大会には出場できなかったけれど、仲間とプレーができたことが満足です」

といったような話をしていました。全国大会でも地方大会であろうとも、運動部や文化部、学校外の活動であっても、大小や内容に関わらず、何か目標を持って夢中になれるものがあることは素晴らしいことですね。まさに青春だと思うと、素直に胸がキュンとします。

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富岡高校は、大震災後4つの県内外の4つのサテライトに分かれ、高校生活を送っています。もともと寮で暮らしていた学生も多かったと思いますが、仮設や借り上げ住宅から通ったり、親元から離れたり、別の高校へ編入をせざるを得なかったケースもあります。

サッカー部の選手の活躍する姿に、励まされた人も多いはずです。サッカーが人気のブータンでも、彼らの活躍を伝えたくて話をしてみると、3年目を迎えてもブータンの人々も大震災のことをよく覚えていています。

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言葉が通じなくても、年齢が違くても立場が違くても、ボールがあれば仲良くなれるのは世界共通。

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上手でも下手でも、ボールを追う真剣な姿はみんな一緒。

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本当にそう感じさせてくれます。

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来春に卒業をする高校生達のたくましく、たおやかな姿に励まされるに対してありがとうと伝えたいですし、困難な状況を誰しもが抱えたけれど、その中で過ごしたかけがえのない思い出と共に、未来へ羽ばたいてほしいなと願います。

なお、富岡高校は今まで支援をしていた双葉郡内の企業や卒業生が全国に散らばることになり、大会に向けた出場経費、目標金額の半分以下しか集まっていない状況だそうです。選手たちの協力、応援にご興味のある方はこちらの富岡高校のウェブサイトをご覧下さい。

試合がある年末まで怪我のないように、そして全国大会での活躍をブータンから楽しみにしています。


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2013年11月23日

ヒマラヤゴヨウマツの黄葉

 こんにちは。クズザンポラ―。

今日は勤労感謝の日ですね。日々の一人一人のお勤めと自然に感謝をし、今日はちょっとゆるりとした気分でブータンの風をお届けします。

近頃のパロ谷は秋が深まり、あ~もうすぐ冬なんだな~と感じさせる気候で、この感覚は日本に似ています。日本よりも標高が高いため、日中は日差しが強く体感温度は15~20度程度になる日もあります。日中は日向にいれば暖かなひなたぼっこも楽しめます。

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快晴の日も多いですが、私は快晴の日よりも少し雲があった方がなんとなく、日中は自由な感じ、朝晩は色っぽい感じがするので好きです。

午後2時過ぎにパロ・ゾンへ出かけたのですが、

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ちょうどいいタイミングで、ドゥック航空のフライトがパロ谷の谷間を縫ってパロ空港へ着陸態勢に入りました。

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こうやって見ると、飛行機もなんだか大きな鳥みたいに、悠々と大きく羽ばたいてパロにやってくるように見えるので不思議です。やっぱり、私が飛行機が大好きだからそう見えるのでしょうか それとも、谷の懐の大きさがそう見せるのかもしれませんね。

改めて高台から見るパロ谷は、稲の収穫も終わり、晩秋の気配を感じます。この季節、もうひとつ晩秋の足音を感じさせる光景が、ヒマラヤ松の葉が緑色から黄色に色が変わっていきます。

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ブータンのヒマラヤ・ゴヨウマツは立派で、パロ谷では至る所で目にすることができます。タクツァン僧院への登り口となる付近にも立派なゴヨウマツがあります。以前の記事でゴヨウマツ=五葉松、つまり松の葉である針葉が5本あるからゴヨウマツということを知り、 驚いたと書きましたが、日本で見るアカマツやクロマツは二葉松なので、見慣れた今でもこの五葉松の立派な針葉には惚れ惚れします。それに加え、松の葉自体がかなり長いので、風格があります。

緑と黄色、黄色と言っても金色に近い色で、この色のコントラストがまた素敵です。

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松の木そのものが2色にはっきり分かれて、遠くから見ればまるで市松模様のように見えます。

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春先のブータンは、山に桃の花が咲いて、山全体の中にポツポツと薄ピンク色であわ~く彩られます。ポツポツとではなく、たくさんの桃の木が一か所に群生していたらお花見場所として絶景だなと思いますが、そうではなく人の手を加えず自然をできるだけそのままの状態で残す環境保護の取り組みをしているブータンの良いところだと思います。

人間がぱっと一目で見て美しいと思う自然の姿と、動植物が元気に永続的に生き続けていくための自然の姿は違うのかしれません。

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夏にはピンク色の可憐な花を咲かせたバラ科のこの木の葉っぱも、黄色く色づいてきました。もう少しすると、先程のゴヨウマツの黄色い葉が、どんどん落ちて行きます。5mを超える大木から葉っぱが風に揺れてゆっくりと落ちてくる時に、葉が光にきらきらと輝いて見えます。イチョウの葉が落ちてくるのも風情がありますが、このゴヨウマツの揺れ具合も情緒があるんですよ。

落ちた葉は農家の人々が集めて、牛や馬の冬用のふかふかベッドに。この地面んに落ちた針葉はとても滑りやすくて、ちょっとおっちょこちょいの私には注意が必要な季節になります

冬を前に最後の力を振り絞って黄葉し、よく春まで備える木々の姿は、なんだか命を燃やしているようなエネルギーがあり、夏に見る青々としたみずみずしい生命力ある姿とはまたちょっと違う、美しさを感じます。

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また来春に、若々しい緑色にであるのを楽しみにしつつ、足元に滑らないように注意をしながら冬を待ちたいと思います。

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:冬と言ったら冬眠の準備だよね!
:犬は冬眠しなくても、ちゃんとご飯をもらえるよ。。。

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