2014年04月

2014年04月27日

ブータン民族衣装のボトルカバー

 こんにちは。クズザンポラ―。

最近は仕事が多忙で、なかなか休日や外出ができない日々なのですが、そんなフラストレーションを紛らわすために、わんこと遊ぶ以外にちょっとした遊びを気分転換にすることがあります。

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これは、ブータンの男性の民族衣装であるの形をしたボトルカバーをワインに着せて飾ってみました~~

このボトルカバーは、私はブータンお土産のセレクションとしては「がさばらない」「かわいい」「ブータンらしい」という三拍子の希望をかなえた秀逸の品だと思っています!!

本物の民族衣装は、ブラウス部分なども含めてセットが必要、日本で着る機会がどれほどあるか、ちゃんと自分で格好良く着られるかなど少しハードルが高い部分がありますが、これなら部屋に飾って、ふとした拍子にブータンを思い出すことが出来ていいですよね。

そして、一つ300~400ヌルタム(約500円~700円)でパロやティンプーにあるお土産物屋さんにも比較的置いている所が多いです。パロの空港でも売っています。お値段もお手ごろだというのも、なんとも嬉しいです。

写真のものはどちらもゴで男性用のものですが、女性用のキラのボトルカバーもあるので、本当は男女セットで購入した方がいいと思います。

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小さい頃、着せ替え人形でいろんなことを想像しながら遊ぶことが好きだった私は、気付くとこれを使って一通り遊んでいました イメージとしては親指人形ですかね。

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その他には、通勤路で見かける風や雨で落ちてしまった花を拾って、キャンドルと一緒に浮かべてみたり、お家遊びを楽しんでいます。

ブータン人の同僚からは、

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こんなかわいいクッキーを差し入れしてもらって、この素朴さがとても可愛らしくて癒されました

ワインボトルにかけたボトルホルダーをとって、ワインを開けてしまえばいいのかも?と一人思うこともありますが、もう少し仕事がひと段落したらみんなで楽しく飲めたらいいなと思い、気付くと無意識のうちに親指人形遊びを繰り返しているのでした。

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:一人で遊ぶのが好きなんだね??

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bhutan_diary at 23:49|PermalinkComments(2)TrackBack(0)■買い物 

2014年04月23日

ブータンでお腹を壊した時は・・・

 こんにちは。クズザンポラ―。

パロ谷の古刹キチュ・ラカンでは八重桜が散り始めました。
春のキチュ・ラカンは、桃の花も八重桜もキチュ・ラカンの穏やかな景観にとても合っています。キチュ・ラカンは双子のように2つのお堂が並び、なんとなく女性的なイメージを持つお寺の外観に私は感じて、その雰囲気と春の装いがよりいっそう美しさを際立てます。

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そんなうららかな春の日ですが、私は胃の調子があまりよくなくお腹がいたい。。。数日を過ごしていました。海外にいれば、何か特別な物を食べてお腹を壊すこともあることはありますが、日本にいる時と同様、一年に数回調子が悪い時もやっぱりあり、今回は特に原因がわからないけれど胃の調子がなんとな~くよくありません。

では、ブータンの人は胃やお腹の調子が悪い時はどうしているのでしょうか。
日本と同様、バナナがいいよ、と言われたことがあります。 さっそく、ブータン人男子に、相談してみましょう。

う~ん、お腹の調子が良くない時は、

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思いきって、

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ラム酒を飲むと良いでしょう!!

あ~~、そうきたかぁ。

覚えている方がいるかわかりませんが、過去にブータンで体調が優れない時、別の人にも聞いたのですが、その時はウィスキーをストレートでくいっと飲むべし!と言われました。
お腹の場合はラム酒なのか。。。。と思ったり、ウィスキーでもラム酒でもどっちも同じなんじゃないか?と思ったり(笑)

ただ、私はインドとブータンのラム酒は個人的にはとっても美味だと思っています。特にインド・シッキム州のラム酒は本当に美味しいです。ブータンでは、この写真にあるドラゴン・ラムがお気に入りです。

でも、やっぱりお腹が痛い時はお酒じゃない方がいいなぁ。。。。と思い、別の人にも聞いてみました。

そんな時は、、、、、


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ORSを飲むべき!! とのご回答。 ↑ この彼が両手に持っているORSとは、

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Oral Rehydration Solution = 経口補水液 のことで、食塩とブドウ糖のもの。粉状になっているものを水に溶かして飲み、嘔吐や下痢による脱水症状を防ぎます。
成分はちょっと違いますが日本のスポーツドリンクに似ています。この写真のORSはお隣インドのもので、オレンジ風味です。

でもなぁ、脱水症状になるほど悪いわけじゃなくて、なんとなく胃に不快感があるだけなんだよなぁ。

okayu


ということで、他のブータン人にも聞いたところ、無難にヨーグルトとおかゆを食べることにしました。ただ、ブータンのおかゆは赤米で作ることが多く、生姜がとってもきいていて、さらに唐辛子もちょっと入っています。胃が痛くても唐辛子なんだなぁ。。
ブータンに来た頃は、体調が本当に優れない時はこのおかゆは辛いものがありましたが、今はもう慣れて、これがブータンのおかゆの味なんだと自然に思えるようになったのが不思議なところ。

ブータンで火傷をしたときも意外な治療方法を教えてくれましたが、今回もブータン人ならではの民間?療法を知ることができました。

今度は頭痛になったとしたら、「このお酒を飲むと効くよ!」と、どんなお酒をすすめられるのか、ちょっと期待しています。でも、頭痛がないにこしたことはありませんね


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:それってただの食べ過ぎなんじゃないの??


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2014年04月20日

パロ・ツェチュ祭の後の日曜日

 こんにちは。クズザンポラ―。

大賑わいを見せたパロ・ツェチュ祭が15日に終わり、春の訪れをより感じる日曜日になりました。今日までの3日間、ティンプーから古都プナカへ向かう途中にあるランぺリ公園では、しゃくなげフェスティバルも開催されていました。

このしゃくなげをたくさん観賞することができるお祭は、昨年から始まり今年で2年目になるのですが、今年も行けなかった。。。 しかし、祭はなくても、しゃくなげは標高の違う場所でも咲き続けるので、1カ月以上は楽しむことができますので、もう少ししたら、時間を作ってしゃくなげを愛でにお出かけしたいな~

私のブータンでの仕事は、毎年このあたりの1ヶ月間と秋の2ヶ月間がピークにあたり、なかなかお休みを取ることができません。

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日本にいる時は、テレビや映画を見たり、通勤途中に本屋さんやカフェに行ったり、家で何かを作ってみたり、それなりの自分の気持ちをオフにする方法があるのですが、ブータンでは、とりあえず、景色を眺め、犬と遊ぶことにしています

今日は、昼休みの時間にお出かけをして、先日まで祭が行われていたパロ・ゾンを上から眺望する場所まで歩いてみました。パロ・ゾンも角度を変えると、こんな感じに見えるんですよ~

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そして、今日もドゥック航空は旅立って行きました。私の家は空港に比較的近いので、時計を見なくても飛行機の離発着の音で毎朝、おおよその時刻を把握しています 1日の離発着の本数もあまりないので、成せる技ですね。

パロ・ツェチュ祭の最終日の翌日には、パロ谷・もうひとつのツェチュ祭もあり、この時期は華やかな雰囲気があります。農家の人は祭が終わると本格的に田植えの準備に入りますが、祭はちょうど今までの休みの終わりを告げ、今年の豊作を願う時期でもありますね。

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そんなことをおもっていると、いつも見慣れたマニ車や、

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ゾンの壁画やお坊さん達の姿もなんとなく新鮮に見えてきます。最終日の大タンカ・トンドルのご開帳で心が洗われたからかな?

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お祭りで使われた仮面は、来年のために大事にしまわれているところでした。

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トンドルを見て、清い気持ちになってすがすがしく感じる、こういう気持ちは、地元の人もあるのかなぁ。それとも、篤い信仰心があればそういう特別な気持ちではなく、常に尊ぶ気持ちがあるのかなぁ。。。。いつかゾンカ語が上達したら聞いてみたいと思いますが、なかなか、言葉も難しいし、この気持を日本語で表現するのすらままならず(笑)、その日は来るのでしょうか。

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通りで出会ったお母さん達の途絶えることがない数珠を廻す仕草を見て、絶えまなく唱える真言の声を聞くと、なんとなく落ち着くのでありました。

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:お仕事ばっかりで遊んでくれないと太っちゃう~


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2014年04月17日

トンドル・大タンカご開帳~6~

 こんにちは。クズザンポラ―。

今年も、春最大のお祭りであるパロ・ツェチュ祭が15日に終わり、これから本格的な春の到来を待つパロ谷です。

私がこのブログを書き始めてから、毎年パロ・ツェチュ祭の様子をお伝えしています。毎日は見に行けない年もありますが、5日目の最終日のこの大タンカのご開帳には必ず足を運んでいます。パロ・ツェチュ最終日に関しては、、、2011年2012年2013年も紹介していますので、ご興味のある方は覗いてみて下さい。

最終日は満月の日にあたり、ブータンに仏教を伝えたグル・リンポチェが戻って来ると信じられ、深夜から日が昇るまでの4~5時間だけにトンドル(大掛軸)がご開帳されます。ツェチュとは月の十日を意味し、パロのツェチュ祭はブータン歴では、新年が明けてからの『二月の十日』にあたります。

今年は、7年ぶり?くらいに、トンドルがパロ・ゾンからデヤンカ広場に運ばれ、掲げられていく瞬間から見学することにしました。


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会場についたのは、午前2時半頃で、さすがに人の姿もまばらでした。お坊さん達は準備に追われています。毎年、午前3時前後から始まることが多いのですが、はっきりした時刻は会場に着いてみないとわかりません。観客とすれば、トンドルが運ばれてきて掲げるという流れを見るわけですが、ゾンの中ではこのご開帳に向けて何時間も前から読経や祈祷が行われており、それを終えるまでは運び出すことができません。


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人の姿もまばら、と言いましたが、午前3時前からやっぱりこの会場に来る方もいるのですね。ブータンの祭は、会場の席はみんな一緒。観光客も、外国人も、地元の人も、そして王様達も同じ階段状の席に座り、席の場所が販売されたり、場所取りをすることはありません。

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満月の光の中、照らされるパロ・ゾンからは、読経やチベタンホルンの音が時折こだまします。

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この写真は、2日目以降の祭のプログラムが始まる前に行われる行列(セルデンベーコル)で、踊り手やお坊さんがパロ・ゾンでの打ち合わせやお祈りを終えてから会場に向かいます。この同じ道を、トンドルを持って担ぎ込まれていきます。

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満月の月夜が、ちょうどパロ・ゾンのてっぺんにきたころ、ゾンの中からトンドルが担ぎ込まれてきました。トンドルは、縦横共に約30mにも及ぶ巨大な大掛軸で総アップリケの刺繍でできているもので、相当重いものです。何人もの担ぎ手が息をあげながら、その神聖なトンドルを運んできます。この役割を貰えるということも、とても誇らしいことなんだと思います。

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大切に運ばれてきたトンドルを、敷物の上においてから、掲げるためのセットアップが始まります。重さ数百キロにもなるトンドルを持ちあげるために、慎重にロープをつなぎ、みんなで息を合わせて引っ張り、支えていきます。

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この時に静かに聞こえる、チク、ニ、スン、の声。これはいち、に、さん、とお互いに声を合わせてバランスをとっているのです。


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地上にいる組も一生懸命ささえていますが、もっと大変なのは上から引っ張り上げている方達。時折、上に向かって地上からも指示の声が聞こえてきます。

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そうして、ゆっくりとグル・リンポチェの姿が現れてきます。隣にいるおばあさんは、グル・リンポチェの真言(マントラ)である、オン・ア・フン・バザグルペメシディフンとずっと唱えていました。

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トンドルが運ばれてきてから、完全にご開帳されるまでの約30分、会場は静かに厳粛に、それでも熱気が溢れる不思議な空間に変わります。「祭」というと賑やかで華やかというイメージがありますが、ツェチュ祭は静かで篤い宗教儀式であり、祭といってもカーニバルではなくてセレモニーなんだな、と感じます。

そこでは、ブータン人ではない私ですら、本当にグル・リンポチェがここにいらしたんだな、ということを実感する瞬間であり、手を合わさずにはいられなくなります。

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この写真は、4日目のハイライトである閻魔大王の審判のシーン。多くの人で賑わうのですが、死後の世界をブータンの人達はこうやって目の当たりにし、そして今を生きていく意味を知り、糧としています。

私がブータンで働くようになって1年が経とうとした頃、2011年に東日本大震災が起きました。その後まもなく、このトンドルをまた見て、周りのブータンの人達の思いやりを感じることが多々ありました。トンドルのご開帳は、今までも貴重で国宝級の美術品であり、人々の信仰の篤さに触れる瞬間でありました。でも、その年以降は、トンドルを見る度に、あの時にブータンにいてどうすることもできない想いを救われたこととして、私の記憶に刻まれました。

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トンドルとは、「見るだけで解脱ができる」という意味がある、尊いもの。

一人一人の人生は、他人から見ればどのような想いがあるかは知りうることができませんが、あの日、命を落とされてしまった方、残されて辛い想いを抱えている方に、このトンドルを見ていただくことができればいいな。実際にブータンにいらっしゃれない方でも、ヒマラヤの小さな国でトンドルが開帳されて、この想いが風に乗って届くといいな、と毎年願うようになりました。

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トンドルを参拝した後は、誰もかれもが清々しい表情をしているのが印象的です。

パロ・ツェチュは、今年もパロ谷に春を告げ、そしてまた来年も、毎年変わらないようにグル・リンポチェと仏教の信仰心をもったブータンの人々は、このトンドルに出会うことを楽しみにしています。


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2014年04月15日

トンドル・大タンカご開帳~5~

 こんにちは。クズザンポラ―。

今年も、パロ・ツェチュ祭の最終日に、ブータンに仏教を伝えたグル・リンポチェがこのパロ谷に戻ってくることを意味する、大タンカ(大掛軸)がご開帳されました。

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グル・リンポチェがここへ戻ってくると言われるのは、月の十日=ツェチュの日であり、この日は満月です。大タンカはパロゾンから運ばれてきますが、それまでは会場となる隣接するデヤンカ広場は月夜に照らされ、時折、ゾンの堂内から厳かに聞こえてくる読経が凛とした空気の中、音として伝わり、会場は人がたくさんいるのに、それはそれは神秘的な時の流れです。

今日の月夜も儚く美しく、パロゾンを照らしていました。

このブログでは、4年目になるこのタンカのご開帳のシーン。今年は、深夜2時半ころに会場に到着し、ゾンからタンカが運ばれてくるところから見学しました。

その様子は、次回に分けてご紹介しますね。

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タンカを運び、大切に包みをほどいて、掲げる準備をしています。

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ゆっくりと引き上げて行き、運び始めてから約20分でタンカが完全にひらき、グル・リンポチェの姿が今年も現れました。

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この日を待ちわびているのは、私だけでなく、パロの人だけでもなく、ブータンの人々にとって大切な一夜なのです。大タンカ・トンドルは、朝日が完全に昇る頃には引き下げられるので、ほんの数時間のご対面。

今年も、人々に平和と安泰を祈る一夜が美しく静かに過ぎました。かけがえのない瞬間です。

次回は、静かな中にも熱気あふれるタンカの運搬からご開帳までの様子をお伝えしますね。

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