2014年09月
2014年09月30日
パロ・ドムチェ祭~2014年~
今年も、パロ・ドムチェ祭が始まりました!といっても、パロのドムチェは地元の人意外にはあまり知られていなく、観光局のお祭リストにも掲載されておらず、1日だけ開催されるお祭りです。
ツェチュ祭の’ツェチュ’とは月の十日を表し、8世紀にブータンに仏教を伝えたとされるグル・リンポチェがこの地に戻ってくることを約束した日です。グル・リンポチェに対する信仰の篤さは、宗派を問わずブータンではとても強いものです。春のパロ・ツェチュ、秋のティンプー・ツェチュが規模としては大きいですね。
今年のティンプー・ツェチュ祭は、10月3日から3日間にわたって開催されます。昨年の様子はこちら。
かたやドムチェは、護法神への法要とされるもので、ツェチュ祭よりも、もっと寺院内の部屋内部で行われる祈祷が多く、観光客が見えない部分もあります。プナカで冬に行われるドムチェは、ブータンを築いたシャブドゥン・ンガワン・ナムギャルを英雄として称え、チベット軍との闘いを再現した歴史物語で、これも衣装や歴史的背景の面白いお祭りです(詳しくはこちら)。
このパロ・ドムチェの時には、年に数度しか公開されない宝物があり、湖の底から見つかったシンバルなのですが、それで頭をなでてもらうことができます。誰にでも惜しみなく対応してくれるのが太っ腹ですね。年に数度の公開でも、これだけ太っ腹にしてくれるならば十分ですよね。
2011年、2013年にもこのドムチェ祭の様子をご紹介しましたが、毎年訪れても飽きることがなく、今回も張り切って写真を撮ろうかなぁと思っていたのですが、、、
途中で数ヶ月前に職場で交流をした学生さんたちがこのお祭りに来ていて、久しぶりの近況報告で忙しくなり、気づいたら演目が終わりました(笑)。パロの人達は、このお祭りに参加することが多く、どこを見ても久しぶりに会った挨拶で忙しい人達の姿があり、交流の場でもあります。
そう考えれば、私も少しブータン人化した、ということで、そんなこともあってもいいかなと思いました
もっと詳しい様子をご覧になりたい方は、2011年と2013年の記事をご覧になってください 今度から気をつけます
これから、秋のお祭りシーズンが本格的に始まります!
:お祭りのお弁当には、お肉が入るよね!?
2014年09月29日
2014年09月28日
パロ谷へ秋の足音
みなさんは、日曜日をいかがお過ごしですか?
このシップは、パロ谷では新米を収穫する前の9月半ばの数日間にしか行わない作業で、お米が実りきる1カ月前くらいの若い若い籾を臼で叩いて作ります(くわしくはこちら「ブータンのおやつ・シップ」)。今年は、パロの町にブータン内の有数のお坊さん達が法要に訪れる予定があり、おそらく今週または来週になるらしいのですが、その法要が終わってから稲刈りを開始する予定だそうです。
町の中の家でも、赤く実った唐辛子を紐でつないで乾燥唐辛子や茄子などの乾燥野菜を作り始めたり、すこしづつ秋の訪れを感じます。
軒先では、ヘアーカラーリングをしていたご近所さん同士のお二人。
足元にはかわいこちゃん。
今日は、私の大好物のあんず茸を使ったお昼ご飯を作り、もうすぐきのこシーズンが終わることを寂しく感じながら、犬のシャンプーに犬用シーツのお洗濯、お部屋の掃除にお散歩と、少しづつ秋らしくなっきた日差しを感じながら過ごした一日でした。
農家さん同様、私もこれからが忙しくなるシーズンなのですが、一日の数十分は穏やかに過ごせる時間が大切ですね。
2014年09月26日
お掃除大作戦チーム頑張ります
前回書いた現在のブータンのごみとマナーの問題ですが、みなさんからコメントやメッセージで応援をいただきまして大変嬉しいです。ありがとうございます。
これからも、パロの町のお掃除隊、気長に定期的にできる範囲でボランティア清掃を続けていきたいと思います。同時に、各家庭や交流のある学校で話す機会を増やしてもらって、子供達にポイ捨てしないでゴミ箱に捨てよう、ごみが落ちていたら一緒にきれいにしよう、とこれもまた焦らず続けて行こうと思います。
ブータンの人が気持ちよく清潔に健康な日々がおくれること、ブータンが目指す持続可能な国づくりに向けて動植物が永続的に元気であること、それが願いですね。
清掃してみんなに喜んでもらうんだという意気込みはなく、単純に町がきれいになったら気持ちが良く、自然も喜んでいるような気がします。捨てる人が減るに越したことはありませんが、捨てる人もいれば拾う人もいます。
こちらは、以前ご紹介した、パロの町でも最もごみが出やすい野菜市場(詳しくは、お掃除大作戦・パロのサブジバザール編)です。
お掃除すれば、こんなにきれいになります
冬は川の水量が減り、パロ川には流れてきたごみを見つけることもあります。
夏場は水量が多く掃除ができないため、川の掃除は冬場が適していますが、水は冷たいです でも日中の陽のある時間にやれば大丈夫
お掃除はごみ拾いがメインですが、村人がたまに使用する獣道のようなトレイルを夏の間に育った棘のある植物を定期的に剪定して、歩きやすく保つこともクリーニング・キャンペーンの一環です。
でも、本当によく小さな額の紙幣を見つけるのですが、ご利益なのでしょうか!?
定期的に人が歩けば、森の歩道もイノシシや熊に荒らされる可能性が減ります。
町のお寺の埃を払って、お色直しのなどのお手伝いも清掃ですね(こちら)。
実は郊外にあるごみ捨て場に行ったこともあるのですが、その写真はショックなので(?)掲載はしないでおきますが、そこに群れる犬や牛の姿にはやっぱり悲しくなります。
もし、みなさんがブータンへ訪れる機会があったら、日中に出たごみはできれば観光地ではなく車内か宿泊地まで持ち帰っていただいて捨てていただきたいです。観光地にあるゴミ箱は管理がマメではなく、そのまま溢れかえったり、谷底に捨てられてしまうこともあるためです。
この心がけはブータンだけでなく、どこの国でも地域でも同じことですね。お掃除後の気持ちよさがなければ、こんなにたくさんのブータンの人が清掃活動に参加しないと思いますし、彼らの意識が高いこともわかります。後は、考えていることと行動が一致して、ポイ捨ての習慣の手が減れば良いだけです。
2014年09月25日
STOP ドマ・アート
今日は、最近テレビのニュースや新聞でも取り上げられる「ドマ」に対するマナーについてです。ブータンには、「ドマ」と呼ばれる嗜好品があり、これはブータンの文化として根付いています。
ドマはキンマ(胡椒科)の葉に、ヤシ科の実ビンロウジを包んで口の中で噛みます。その際に、
練った石灰も一緒にキンマの葉に包みます。この石灰が多いと、より舌先がしびれるような感覚になります。
老若男女問わず人気で特に年配に好まれますが、ブータンが世界に先駆けて2004年に禁煙国となってからは、タバコの代わりにドマを噛む若い世代も増えたように思います。
サブジ(野菜)バザールでも、人気のドマ屋さん。
ドマはアジア全般で愛好され、台湾やインドネシア、タイ、インドやパキスタンでもキンマやパーンの名で呼ばれ、中身の味付けは地域により違いますが、キンマの葉にビンロウジのセットで同じように噛まれています。
日本人の私から見れば、匂いは良くないし味は複雑で、唾液を吐き出すのは不衛生に感じますが、ドマはれっきとしたブータンの文化であり、歴史はとても古く、国立博物館では昔の時代のドマ入れの容器(素晴らしい彫刻が施されたもの)があるし、宗教儀式にも外せないことからも、いかに親しまれてきたかがわかります。
そう考えると、私には臭く噛み過ぎれば歯が赤く染まり、美味しいものとは思えないドマでも、この国の文化であれば善し悪しを判断することはできません。体に良くないとも言われていますが、世界中には人体に影響を与えるとされる嗜好品は、タバコや水タバコ、カート、様々な飲み物などいろいろなものがあります。
だから、ドマを噛むことがどうこうと、私は意見をするつもりはありません。
でも、私が常々思っているのは「ドマを噛むのは良いとして、公共の場をきれいに使って欲しい!」ということです。
私の職場でも定期的に町や観光地のボランティアの清掃を行っていますが、それでもごみを見つけます。
彼らは今までごみがあまり出ない暮らしをしていたし、自然にかえらないプラスティック等を手にしたのが近年ということもあり、昔のように気にせずポイ捨てをしてしまうこともあります。更に、ごみ収集のシステムや最終処分の方法もまだまだ改善点が多いのが現状です。
ごみもドマのマナーの問題も、町の中で簡単に見つけることができます。
一見、普通に見えるブータンの町の商店の写真 ↑↑
でも、柱を見てみると白やオレンジの引っかき傷のような模様が点在しています。柱はもともとはブータンの伝統的な模様を描いたものでした。
こちらは、パロの野菜(サブジ)バザール横のドマを売る小さな商店の柱。もともとの柱の模様がわからないほど、白くなってしまっています。
これは、、、何かというと、、、、
ドマを噛む時についている石灰が多いと舌がしびれるので、余分な石灰を指ですくって取って、捨てる代わりに柱になでつけた結果です なんで、柱になでつけるの~~
国内メディアでは、たまに「ドマ・アート」と表現しています。これにはきっと建物のオーナーもがっかりだし、白い柱ならまだましですが、石灰には赤みがついたものもあるので、結局は同じ
ブータンは、もともとある自然が美しいため、ごみが目立ちやすくなってしまうこともあり、町中はすごく汚いわけではないのですが、どうしても「もっとごみを捨てず、伝統的な建物もあるからきれいに残して欲しい」と思ってしまいます。
余分な石灰をふき取るための紙(例えば小さく切った新聞紙や、ちり紙)を用意する、その場で噛む人専用に石灰はお好みで取るようにして余分な分を減らす、公共の手洗い場を作って手を洗えるようにする、、、これならきっとできるのでは?と考えるのですが、それよりも前に人々が意識をすることが第一だと思います。
なかなか、難しいとは思うのですが、、、でもやっぱり、町も人々も愛されるブータンであって欲しいなと願うし、衛生面も改善されたほうがよいし、噛む量や石灰が減れば健康面でも良いことがあるし、、、、
日本だってシンガポールだってスイスだって、今の時代のように町中にごみが少なくなるまでには、長い月日に及ぶ教育の結果であり、今のブータンに同じことを求めるのは難しいですが、将来に向けてよりきれいな国になってほしいと願います。この気持ちをブータンの人に話すと、ちゃんとわかってくれます。
GREEN BHUTANの環境キャンペーンの日などには積極的に清掃をしたり、環境問題にも関心があり、自分の国に誇りを持っている彼らならきっとできるはずです。毎日の生活習慣の中での少しずつが大事。。。STOP ドマ・アート