■日本

2021年05月21日

鞍馬山と祈りの旗タルチョ

 こんにちは。クズザンポラー。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今年は、例年よりずいぶん早く梅雨入りをしましたね。
緊急事態措置中の京都府ですが、制限下でも心と身体をすこやかに保つためお散歩に出かけました。

目的地は京都市北部の鞍馬山へ。公共交通機関を使わず、自転車と徒歩での参拝にしました。
市内から鞍馬方面までは山道のためロードバイクが趣味の方や近所の方以外は、おそらく自転車ではあまり行くことがないと思います。

昨年7月の豪雨で叡山電車鞍馬線は土砂崩れの被害があり、現在も鞍馬駅までの一部区間は運行休止中です。
今回はのんびりとブータンで自転車走行を楽しんでいた日々を思い出し、叡電路線と並行しながらゆっくりぺダルを漕ぎながら向かいました。
自転車を山門近くの駐輪場に預け、愛山費300円を寄進し参道へ。
本堂まではケーブルカーの利用もできますが、徒歩30分もかからないので歩いて向かいます。

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(入口から参道へ)
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(沿道に咲くシャガの花)

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(途中、由岐神社のご神木の姿が圧巻)

途中の歌碑には、
「つづらをり まがれるごとに水をおく やまのきよさを 汲みてしるべく」
九十九折のように山肌を歩いていくと時折、清水がわき出ていて耳を澄ますと、大きな高音と低音が鳴き声が響いていました。
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声の主は蛙。写真中央にのび~ッとしている姿で写っています。
歌碑の内容のまま、清水のある場所で出会ったカエルくんはベストタイム&ロケーションでした。

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中門を過ぎると石塀や石段が目立ち、土の歩道とはまた違った素材の歩き心地と美しさを感じます。

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午前の日差しの中、新緑で溢れていました。

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どこの国でも山に入れば「自然界には同じ色が二つとないのではないか」と感じることがよくありますが、新緑に光射すグラデーションの美しさに、唯一無二だと思い知らされます。

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(貴重な石垣)
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(活発に動いていたトカゲ)

そして、いよいよ本堂(金色本堂)へ。

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(星曼荼羅(ほしまんだら)を模した金剛床)

ここでは尊天信仰がされ、『真理そのもので、神仏の区別を超えて ひとつの形に固定されず、しかも本質を保ちつつ、森羅万象、日月星辰、あらゆる神あらゆる仏の相(すがた)となって顕現します』とありました()。

私が鞍馬山に来ると、インドやブータンのお寺を参拝した時と同じ感覚になるのは、この考え方にリンクするからなのかもしれません。

ここから先は奥の院参道となり、牛若丸と鞍馬天狗のストーリーに関連し、さらに豊かな自然を見せてくれます。本堂から徒歩五分ほどで、鞍馬山博物館がありますが、ここも何度訪れても興味深いところです。

1階は鞍馬の自然展示や説明があり、特に生物や地層の研究について初めて知ることがたくさんありました。ここでは鞍馬石も有名ですが、この山の地層は古代ペルム紀からつながるものだそうで、約2億5千年前から脈々と続いていることがわかります。

2階の與謝野寛・晶子夫妻の展示、3階には国宝の毘沙門天三尊像を目前に座りながらゆっくり鑑賞ができるという貴重な時間を過ごせます。

今回は、緊急事態措置中のため博物館は閉館中でしたがまた次回訪問をしたいですね。

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(植生豊かな鞍馬山。子供たちの自然学習にもなります)

今回は自転車で移動したため、奥の院には向かわずに下山をし、帰路につきました。
その途中で、思いがけないものがありました。写真左側の旗・・・

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これはブータンやチベットなど、チベット仏教圏で掲げられる祈りの旗タルチョでした!
馬の文様や経典が描かれています。

あぁ、鞍馬山方面に来たどなたかが、人々の平安を願い掲げられたのですね。
参拝してすがすがしく、美しい自然景観のなか捧げられた祈りにふれて心休まりました。どこの国の方か、チベット圏内に行かれた方かどなたかはわかりませんが、願いは一緒ですね。

自転車でこなければ私の目にタルチョが写ることもなかったかもしれないと思うと、毎日が特別な気分になりました。

もし機会があれば鞍馬山を訪れてみてください。

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:いつの間に行ってきたの!




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bhutan_diary at 23:30|PermalinkComments(3)

2021年03月22日

日本で感じるブータンの春

 こんにちは。クズザンポラー。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
春分の日も過ぎ、春めいた陽気を感じますがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

ブータンにも日本と同様に四季があり、それぞれの季節によりお花が楽しめますが毎年春は特別に楽しみな季節です。
今年はブータンで春を迎えることができなかったので、ブータンで観察できる花々を京都府立植物園で見てきました

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まずはこちら。私のとっても好きな春の花、モクレンです。昨年の記事では、「ブータンで見ることができる花木のうち、常に首位争いを繰り広げているのが木蓮」と自分で書いていました(笑)


ブータンでは首都ティンプー近郊の峠ドチュラでもよく見かけます。この時期、ブータンではシャクナゲも咲き始めますが、京都府立植物園のシャクナゲはまだかたいつぼみでした。

そしてドチュラでハイキングをするなら、この時期はとても香しき季節でその香りの主を植物園でも見つけました!
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そう、こちらはジンチョウゲの花。そして、こちらは小宇宙を感じさせるようなミツマタ。
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ジンチョウゲもミツマタもブータンの伝統工芸であるデショーと呼ばれるブータンの手すき紙の原材料になります。日本と同じですね。

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ブータンのみんなも元気でいてほしいな。
私も元気でいるぞ。
そんな想いを日本の植物園でブータンでも今頃咲き誇っているお花を見ながら、感じています。

みなさんも春を楽しんでくださいね。



:お花は目でも香りでも楽しめるね

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bhutan_diary at 17:41|PermalinkComments(2)

2021年01月15日

2021年 小正月を迎えて

 こんにちは。クズザンポラー。
 新年を迎え、本日は小正月ですね。旧年はこのブログを訪問していただいたり、コメントや励ましのお言葉、ありがとうございました。ご挨拶が遅れましたが本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ブータンではロックダウンが引き続き行われ、1月15日時点で27日目となりました。
残念ながら年明けにブータンでは初めてCOVID-19の疾患が理由で逝去された方がいらっしゃり、元々持病があった方だそうですが、国内初となる死亡者にさらに緊張感が高まったと聞きました。

毎年、どこかの国・場所で参拝をしていますが、今年は神社にお参りへ。

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今年の干支は丑年。
世界各地で牛を見かけますが、農業や生活にも密接して人々を助け、乳やお肉としても食を支えてくれる、私たちの身近にいる大切な動物ですね。一歩一歩あゆむ姿も見ていて余裕を与えてくれる感じがします。
インドではシヴァ神に仕える白い牛・ナンディも愛され、ブータンでも牛を大切にする姿をよく見かけます。

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(いつ見ても和む、ブータンの風景に溶け込む牛さん)

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(インドの街角の牛は貫禄がある、気がする。。)

今年のおみくじの言葉は、

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慎重に育てれば、大輪の花咲く像。
まわりとの輪を重んじ、常にやさしきことを心がけよ。
草木を愛し、水を大切にして暮らし安し。


運勢の善し悪しというよりも、こちらの言葉が普遍的で心に響きました。
みなさんも良き日々となりますよう。これからもよろしくお願いします。

:僕も神社にお散歩に行きたい

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bhutan_diary at 19:15|PermalinkComments(0)

2020年09月30日

蛇谷ヶ峰ハイキング

 こんにちは。クズザンポラー。
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
前回の更新からすこし期間があいてしまいましたが、皆さまはいかがお過ごしですか?

私も元気に過ごしています。新型コロナウィルスが世界各国で流行してから、今までとは異なる生活になった方が多いと思いますが、私も実際に生活の拠点が一時的に変わりました。

いろいろありますが、今日はハイキングに行った写真を紹介します。
山の名前は、蛇谷ヶ峰、比良山系のお山で標高は900m程度と高所ではありませんが、久々に森林の中を歩きました。

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先月はショートハイキングをしたものの、今年は思ったように身体を動かすことができなかったため、自分でも驚くほど一歩が重く、調子が上がらなかったら無理せずに帰ろうかと慎重にすすみました。

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夏の盛りを過ぎ、紅葉の季節にはまだ早い時期。
山の自然は、季節によって異なる姿を見せてくれるのが何度同じところに登っても楽しく感じます。
山には百名山だったり、その姿が端麗であったり、高所であったり、山のなかでもスーパーネームとして知られる場所もたくさんあるけれど、私は近所の裏山みたいな、そんな身近な場所も好きです。

秋の訪れを感じさせてくれるものがたくさんありました。

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きのこを見れば、ブータン人の同僚たちとパロの山に登ってたくさんシシシャモ(あんず茸)を採って調理して食べたこと、

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ブータンではこれはモンキーハンドと呼んでいて、「猿の手みたいでしょ」と教えてくれたこと。
そして、途中で蛇に出会って一瞬たじろいだのですが、そういえばブータン人は杖で音を立てながら歩くと蛇がびっくりしないで準備できるから噛まないよと言っていたな。

久々に自然を感じる時間に浸りながら歩いていると、ブータンの多くのことが思い出されました。

私は「ブータンで長く暮らしていたから、日本や国外で生活した上でもまたブータンに帰りたい、恋しくならないの?」と聞かれることがあります。
言葉にするとさびしい感じがするかも知れませんが、実は私はあまり恋しくなりません。。

ただ、また行きたいと思うし、また行けるともなんとなく思っています。
そして、私は距離は離れていても「いつも共にある」という感覚があり、ブータンで習ったことや考えていたことがあっての現在だと思うと、なんだか大丈夫なのです。
でも特定の家族がいたとしたら、きっと恋しいでしょうね。

私はブータンで私とかかわってくれたみんなが、それぞれ逞しく優しくいるであろうと思えてならず、勝手に安心しています。もちろん、苦労は絶えないと思うのですが根本的な人間力がゆたかで、そこが揺るがない彼らは遠く離れた私をも元気づけるように感じています。

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草や木、動植物や鉱物、水の流れを感じながら歩くと、いつもは眠っている感情もわきあがってくるようで、自然のもつ力は生命力だけでなくこんなにも偉大なのか、と気づくころ山頂へ。

お天気は曇りですが、大きな琵琶湖、収穫が始まる田園、人々の暮らす家、森が広がり心もともに晴れていくようでした。

今日の登り始めの一歩は重かったのに、ちょっとずつでも踏み出せば前に進むな~としみじみ思いながら、帰りの足取りもあまり軽くはならなかったものの、また歩きたいなと思いました。

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安曇川には鮎がたくさん泳いでいました。明日からは禁漁!また元気な姿を見せてね。

:僕も一緒にいこうか~


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2020年08月18日

G-SHOCK・ブータンモデル

 こんにちは。クズザンポラー。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「ブータン」と聞いてイメージするもののひとつに、民族衣装を着用する姿のイメージがある方も多いと思います。

木綿やシルク、野蚕のシルク、イラクサ、ヤクの毛織物などから糸を紡ぎ手織りで美しい模様を織りあげ、人々が着用しています。

手織りで生地から注文をするときは好みの柄を織ってもらうこともできます。もちろん、パターンによっては織りあがるまでには数か月かかる場合もありますが、自分の好みに柄や色を選べる楽しみと、緻密で繊細な文様はとても美しいです。

そんなブータンの代表的な文化のひとつである織物を生かした製品が日本でも販売されています。気になるな~と思っていたところ、最近、実際に愛用されている方に実物を見せてもらいました。

ブータンの織物を使った製品はお財布やバッグ、小物入れなどありますが、今回の製品はブータンでは手に入らないもの。カシオのG-SHOCKブータンモデルです。

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わっ!腕時計の箱のデザインからもブータンらしい柄になっていますね。
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腕時計のアップはこんな感じ。
オレンジと黄色は国旗にも使用されているブータンカラーのコンビネーション。
この柄はブータンの民族衣装をイメージしてデザインされたそうですが、キシュタラにも似ていますが黒字に黄色や青色が入っているのはオリジナルのよう。

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腕時計のバンドの部分も、ブータンらしさ全開です(^^)

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パターンはブータンらしさのまま、色味を抑えた替えのベルトもいいですね。

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電気屋さんのディスプレイでも発見しました。他の製品に比べてもひときわ存在感があります。

ブータンの手織物は、国を誇る名産品。現在でも装いや生活の中で欠かせない品です。

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(ルンツェ県の軒先にて)

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(コマ村にて)

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(ツェチュ祭での女性たちの姿)

まだ実際にブータンへ訪れるのは難しい状況ですが、腕時計を身につけてブータンを思い出すのもいいかも知れません。女性が使っても似合いますよ。

ブータンの友人にもこの腕時計を使ってもらいたいなぁ。ちょっと前まではあまり時間を気にしすぎることなく腕時計をつけなくても生活できていましたが、最近では必需品。ただ今では携帯電話が時計代わりになっていますが、ぜひブータン人にも使ってもらいたいですね。


:僕は体内時計でご飯の時間が正確にわかる!


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bhutan_diary at 16:42|PermalinkComments(0)