医療
2017年09月01日
ブータンで医療診断書をもらう
こんにちは。クズザンポラー。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
ブータンで働く場合は、入国後、ワークパーミットを確定させるために病院に行ってメディカル・サティフィケイトをとる必要があります。実際の内容は、「医療診断書」というよりも「健康です、の証明書」に近いと思います。
パロの病院は、町から車で5分ほどのオラタン地区に近い場所にあります。
ブータンの病院については、以前にも古い記事もありますが、
病院へ行こう
ブータンの新型インフルエンザ対策
プナカのメンカン (伝統医療院)
↑ こちらにもご紹介したことがあります。
さて、ブータンに到着後、出社すると早速「病院に行きましょう」という流れになります。持っていくものは、パスポートだけです。最近は、銀行などにある、順番待ちの番号をひいて番号が呼ばれると入室するシステムになっています。
ブータンのスローガンGNH(国民総幸福)を支える柱の一つ、医療費が無料であることは、人々の心の支えになっているな、と感じます。最近では、都市部と地方の医療格差や、よりハイレベルな医療を求めることができるのか、等の問題がありますが、やはり誰もが平等に国が定めた最低限の医療が受けられることは、安心感がありますね。
そんなことを考えながら順番待ちをしていると、医療室に呼ばれて簡単な質問をされて・・・すぐにメディカル・サティフィケイトを書いてもらうことができました。
あ~、そうだった、そうだった。ほとんど何もないんだった・・・と思い出しました。
病院の前でおしゃべりするお母さんたち。籠には何が入っているのかな?とたずねてみると、茹でたトウモロコシと林檎を売っていました。シーズンですね。トウモロコシを2つ買ったのですが、お母さんが林檎をごりごりすすめてくれるので、、、、
「私の友達のお庭にも、いっぱい林檎の木があって明日持ってきてくれるから今日は買わないよ」
と伝えると、「そうか~それはいいね」と答えてくれました。
この回答、なんだか、和みませんか?
ブータンの病院の近くには、必ずと言っていいほど、マニ車があってここを時計回りに参拝します。この写真は、病院のすぐ入り口の前にあるマニ車。
それにわんこがかわいいし♥
お昼には、
中央ブータン出身のスタッフが、朝から早起きしてそば粉のクレープ・クレを焼いてきてくれたり(ありがとう!!)、
通勤路の途中の桃の実をもいで食べたり、
山菜が社員食堂に届いていたり、こんなありきたりな風景がじ~んとくる。
そして、この日、今まで出来なかったことが、できたんです。大きなことではないのですが、私は三点倒立ができなくて、以前にトライしたときは恐怖心が大きくてへこたれたのですが、なぜか今日はす~っとできたんですよ。
出来ないと思っていたことも、自信を持ってみたり、そのことに直接関わらなくても別の事がトレーニングになっていたり、あるいはその土地の力やその日の気分の持ち方で、できるようにもなるんだ!と驚いた一日でした。
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2016年04月27日
ブータンでカゼをひいたら
こんにちは。クズザンポラー。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。いかがお過ごしですか?
私は、先週末も楽しいことをしました後々更新しますが、そこで全力で頑張ったため、先週から引き始めた風邪が悪化してしまいました・・・・が、急激に復活しております!
今回は、典型的な風邪の症状で、のどの違和感から始まって、のどの痛み、くしゃみ、鼻水となり、咳と発熱がありました。でも私としては、典型的な風邪の症状なら安心です。だって、日本ではあまり感染しないようなジアルジアにかかった時は厄介だったし、休養すれば治る風邪なら安心、どんとこいです。こんな典型的な風邪だからこそ、ビタミンをとって休養しようと、町でさっと買い物をしていると、友人に会いました。具合の悪そうな私の様子をみて、あるものをくれました。
差し出されたものは、
これ。
これはなんでしょうか~?そう、ご存知の方かもいらっしゃるかもしれない、ブータンで採取できる高級漢方薬「冬虫夏草」です。名前の由来や効用などの詳細は※、「冬虫夏草」入りの地酒アラは※※ の過去記事にあります。
いや~、正直言って、今までブータンやチベットで冬虫夏草を売っている現物を見ることはあっても、自ら摂取したことは無かったのです。理由は、なんとなくこわいから(笑)今回は、ちょっとこわくない角度の写真↑を使いました
だって、虫って名前にあるし、あの赤目の部分が特に・・・しかし、ブータンでは個人的にもっと見た目がこわい?料理もある(素材じゃなくて、料理になってもこわい笑)、一生懸命勧めてくれる友人のためにも、ここは気合を入れてチェレンジしてみることに。しかし、なかなか口に入れられない様を見た友人は、
ポキッと折って、お湯に入れて飲めば平気だろう、と用意してくれました。それでも渋っていたら、ドライミントの葉を浮かべ「これで完璧だ」と準備万端に整えてくれました。ここまできたら後に引けないし、1つ5~10ドルもする高価なものを私のために譲ってくれたと思い、ごっくん。
飲み込んだので味はしませんでした。ブータン人は噛んで食べることもあるし、個体で使うのが勿体無い場合はお酒につけます。
私は行った事がありませんが、プナカで毎年夏に行われるという冬虫夏草のオークションでは、
こんなにたくさん並ぶそうです。
そして、この特製!冬虫夏草入りハーブティーを飲んだ翌々日には見事に回復しました。このおかげなのかな?でも、冬虫夏草は漢方薬の中でも万能薬で、不老長寿として知られるし、最近では癌に対する効果が期待されたり、またアンチエイジングとしても利用されているので、美容のためによかったかな♪
ブータン人に勧められたものは今までいろいろ試しましたが、今のところ、ブータン式、肌のかゆみ対策と咳にはプティシンそして、ブータンのヨモギが効用がありましたが、それに続いて冬虫夏草もランクインしそうです。
でもやっぱり。。。。こわ~い。しかし、アンチエイジングのためにも、愛飲してみる!?
:なんでも飲み込めばこわくな~い
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2015年01月31日
咳にはプティシン
いつもブログをご訪問いただき、ありがとうございます。今週、こんなことがありました。
私は基本的にはとても丈夫ですが、日本では冬になると咳が止まらないことが多く、長びく咳に苦労していました。でもブータンで暮らすようになってからは、その回数も減ったのですが、今年は咳に悩まされていました。
あ~だったら早く雪が降ってくれないかな~ 雪が降っても、そんなに寒い日は続かないしな~~
と思う日々です。
さて咳をする私を心配してくれたブータン人の同僚が、こんなものを持ってきてくれました。
なんだこれは、、、、なんとなく冬虫夏草みたいですね(詳しくは「ブータンの冬虫夏草」)。
ちなみに、これが冬虫夏草。
ブータン人の同僚が持ってきてくれたのは、高山植物のお花の根っこだそうです。植物名はPicorrhiza kurroaといいますが、ゾンカ語でプティシン(Phuting shing)と呼び、インドではKutkiとして知られ、古くからアーユルヴェーダの治療に使われていた根っこで、過去にはブータンからインドに貿易をしていたそうです。
そうなんといっても、ブータンは薬草の国なのです。
このプティシンは、
咳止めとしての効用があるほか、解熱剤や気管支喘息、さらに下剤、肝臓、食欲増進、皮膚病にも良いそうです。ブータンでは特に咳止めに効くとされ、若い世代でも結構このプティシンを知っていました。
どうやって使用するのかというと、
このプティシンを入れて、お湯を沸かして
ぐつぐつさせます。この写真では3つの根っこが入っていますが、本当は1つもいらない、半分くらいでよかったそうです
そうして、煮出したものを飲みます。
味は、、、
にーーーーーーーがーーーーーーーーーぁぁぁぁいいーーーー
最初に言われていたんです、苦いよって。。。でもやっぱり苦かった。
でも、咳が止まったんです!!! すごい、プティシン!!
このプティシンは、インドのカシミールやシッキム、ネパール、ブータンでも標高が2,700m~4,500mの高所地帯の一部、しかも人里離れた場所にしか生息しない貴重な植物です。以前は簡単に入手できたそうですが、最近では数が減ったそうです。ブータンは、1980年代までインドに輸出をしていましたが、植物の生態系を守るため現在では取引をしていません。
植生もちょっと、冬虫夏草に似ていますね。乱獲は防がなくてはいけません。
貴重なプティシン、この後も何度か煮出して飲みました。今はもうすっかり咳も止まりました~
咳止めシロップやトローチを持ってきてくれたこともありがたかったけれど、こうやって貴重な植物を探して持ってきてくれた事に大変感謝をしています。ナメサメ・カディンチェラ!
2015年01月27日
病院へ行こう・5~ジアルジアがまたやってきた~
いつもご訪問いただきありがとうございます。更新の期間が空いてしまってすみません。実は、中央ブータンのブムタン地方に出かけていたのですが、その模様も近々ご紹介しますね。
いろいろ更新したい、続きを書かなければいけない記事もあるのですが、今回は小休憩でちょっと別の事を書きます。
というのも、わたくし、またジアルジア症(Giardia)と闘っておりました。今はもう回復しましたので、心配なさらないでくださいね。
この病気は通称「卵ゲップ病」とかわいらしくない名前でも知られていて、インドやネパール、ブータンなどの南アジアの他にも、全世界的に見られる寄生虫がもたらす感染症です。
以前にこのブログでもジアルジア症のことを書いたことがあるのですが、このブログにも「卵ゲップ病」で検索されて辿り着かれている方もいるので、もう一度書きますね。決して美しい内容ではないので、、、お食事中の方はご遠慮ください
(調子が悪いときは、、医療機関に頼るのが一番です。ここはパロの病院の入り口)
(救急車もありますが、このような四駆の車も緊急の際に使われています。日本からの援助のマークがあります)
さて、ジアルジアは主に水を介して広がる寄生虫(ランブル鞭毛虫と)で、小腸にいついて悪さをする腸管系病原微生物です。どんな症状が現れるかというと、個人差があると思いますが私に起こった症状を書くと
初日は、お腹がぽっこりと膨れ、膨張感がある。2日目は倦怠感があり、力がでず、数時間後に、ゲップが開始しました。口内に広がるのは卵の味、しかも腐った卵のような硫黄のイメージ(卵を食べていなくても、です)。そして怒涛の水下痢が始まり1日に20~30回はトイレに駆け込むことになります。
多分、ゲップと卵の味というのが、この病気の大きな特徴です。
(パロの病院の入り口に描かれている八吉祥や菩薩の姿。みんなの病気が良くなりますように)
(入り口の天井に描かれていた曼陀羅の中央には薬師如来が描かれています。治癒のご利益がありそうですね)
さて病院に行ければいいのですが、いけない環境にある場合は薬局で薬を買うことができます。ブータンでは治療には、メトロニダゾール(Metronidazole)という抗原虫薬が用いられています。メトロニダゾールは商品名ではありませんが、薬局または病院でジアルジア症だと思う、と診断されるとこの薬が処方されます。日本では保険適応外の薬ですが、ブータンではインドの製薬会社のものが3日分で100円くらいで買うことができます。
(受付後、症状により訪れる診察室を指定されます。患者は並んで待ちます)
驚いたのが「これを5錠まとめて寝る前に3日間飲んでね」と渡された量が、
こんなに多かった。。。
え~こんなでっかい錠剤を5錠もまとめて飲むの~いやだ~
と思うのですが、ジアルジア症は寄生虫を出し切らないと体力が弱ったときなどに表れて悪さをする可能性もあるので、処方された薬をきちんと用量を守って飲まないといけません。
でも、、インドの薬って日本のものより強いし、、、、
と不安になってインターネットで調べてみても「ジアルジア症の治療期間の目安は3日間、10歳以上の大人は2グラムを1日1回服用」と書いてありました。
2gって、、、2000mgですよ、、だからこの量になるのか、、、と納得した上で服薬。
この薬はピロリ菌やアメーバ赤痢を排除するためにも使用され、抗生物質ではなく抗菌薬なので悪い菌だけをやっつけてくれるそうです。
(診断後、病院内で薬をもらいます)
でも、ここで私の嘆きをいいマスと、、、
ブータンの小学校で行われた「みんなで手を洗おう」の集会にも参加したのに、いつも気を付けていたのに、、、。以前の記事を振り返ってみたのですが、ブータンで初めてジアルジア症になったのは2013年の1月でした。そして今回も1月にかかりました。
1月は私にとってジアルジア症の流行なのか!?
なぜ、ジアルジア症にかかるのか、という点は私にも思い当たるところがあるのですが、やはり水が原因です。ブータンの田舎の地方へ行くと、「これは断ったほうがいいな~」と思う瞬間があるのですが、どうしても誰かの行為ですすめられたものは断りにくい、という心情が働いてしまい、その後に苦しむことがあります
ジアルジア症に感染する水を飲んでしまってから、潜伏期間があるのですぐに症状が出ない人もいます。でに、ゲップが出始めたら(特に卵味)この病気を疑ってください。
また、旅行で訪れる方が患う可能性はそんなに高くは無いと思います。ミネラルウォーターを飲んで、旅行者が利用するようなレストランやホテルを使用していれば、かかることはまずありません。
あまり心配をなさらずに、でも、衛生状況の悪い環境で働く可能性がある方は、このことをちょっと頭の片隅で覚えておくといいと思います。
2014年04月23日
ブータンでお腹を壊した時は・・・
パロ谷の古刹キチュ・ラカンでは八重桜が散り始めました。
そんなうららかな春の日ですが、私は胃の調子があまりよくなくお腹がいたい。。。数日を過ごしていました。海外にいれば、何か特別な物を食べてお腹を壊すこともあることはありますが、日本にいる時と同様、一年に数回調子が悪い時もやっぱりあり、今回は特に原因がわからないけれど胃の調子がなんとな~くよくありません。
では、ブータンの人は胃やお腹の調子が悪い時はどうしているのでしょうか。
う~ん、お腹の調子が良くない時は、
思いきって、
ラム酒を飲むと良いでしょう!!
あ~~、そうきたかぁ。
覚えている方がいるかわかりませんが、過去にブータンで体調が優れない時、別の人にも聞いたのですが、その時はウィスキーをストレートでくいっと飲むべし!と言われました。
ただ、私はインドとブータンのラム酒は個人的にはとっても美味だと思っています。特にインド・シッキム州のラム酒は本当に美味しいです。ブータンでは、この写真にあるドラゴン・ラムがお気に入りです。
でも、やっぱりお腹が痛い時はお酒じゃない方がいいなぁ。。。。と思い、別の人にも聞いてみました。
そんな時は、、、、、
ORSを飲むべき!! とのご回答。 ↑ この彼が両手に持っているORSとは、
Oral Rehydration Solution = 経口補水液 のことで、食塩とブドウ糖のもの。粉状になっているものを水に溶かして飲み、嘔吐や下痢による脱水症状を防ぎます。
でもなぁ、脱水症状になるほど悪いわけじゃなくて、なんとなく胃に不快感があるだけなんだよなぁ。
ということで、他のブータン人にも聞いたところ、無難にヨーグルトとおかゆを食べることにしました。ただ、ブータンのおかゆは赤米で作ることが多く、生姜がとってもきいていて、さらに唐辛子もちょっと入っています。胃が痛くても唐辛子なんだなぁ。。
ブータンで火傷をしたときも意外な治療方法を教えてくれましたが、今回もブータン人ならではの民間?療法を知ることができました。
今度は頭痛になったとしたら、「このお酒を飲むと効くよ!」と、どんなお酒をすすめられるのか、ちょっと期待しています。でも、頭痛がないにこしたことはありませんね