2020年05月07日

5月の満月とネパールの灯り

 こんにちは。クズザンポラー。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 
今日は、満月ですね。仏教国の多くは、お釈迦様の生誕をお祝いする日です。ブータンの暦では昨日がこの日にあたり祝日でしたが、ネパールではブッダ・ジャヤンティと呼び、その他の仏教国でも特別な日です。


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(ある日のカトマンズ・ボダナート)


ネパールには暦が何種類かありますが、政府はビクラム・サンバット(B.S)のカレンダーを正式に用いていて、今年は先月13日が新年でした。ちなみにB・S暦では今年は2077年です

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(ビクラム暦カレンダー。今月と来月の表記)


新年の最初の月はBaishakh(バイシャカ)と呼ばれ、その初めての満月に当たる日がブッダ・ジャヤンティ。お釈迦様は、降誕されたのも、悟りをひらかれたのも、入滅された日もすべてこのバイシャカの満月の日であったといわれています。人生の三大イベントが同じ月の満月にあたるなんてすごい!


アメリカの先住民は、その月々の満月の日に名前を付けていたそうで、5月の満月はフラワームーンで花を表します。日本では毎年4月8日にお釈迦様の降誕をお祝いする「花祭り」がありますが、これもお花ですね 場所は違えど、古来から地球のどこかで満月を見て、同じようなことを感じとっていたのかもしれません。

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(今朝のカトマンズ。お線香・サンをたいたそうです)

毎年この日は仏教寺院で人々はお香をたいたり、マニ車をまわし、お経を唱えたり参拝しますが、今年はネパール政府はひきつづき外出禁止のまま、各自宅でプジャ(法要)やお祈りをするように発表をしています。お釈迦様の生誕の地・ルンビニの公園は、管理下のもと特別にあけているそう。

ネパールは多民族国家で国教はヒンズー教で、仏教徒はメジャーではありません。ネパール政府は「今日は国民みんなで午後7時に灯りをともし、コロナウィルスの感染予防と制止をみんなで祈願しよう」と発表をしたそうです。他の宗教の人たちもこの言葉にならって、灯りをともすと聞きました。なんてステキな試み。現在はイスラムの方は断食をともなうラマダーン中ですし、日没後に食事を開始するころ。宗教はちがえど同じ気持ちになるひとときがあれば、穏やかな気持ちになって健康的ですよね。

私も、さきほどお風呂に入って身を清め?、灯りを消してキャンドル1つだけつけて、満月をながめてみました。

今いる東京の空には視界をさえぎるものがおおいし、救急車のサイレンが聞こえてときより心配になるけれど、それに対する不満も先々の不安は感じませんでした。月は空にあって、きっと多くの人が今日は満月を見て、同じようなことを願っているということ。たった一つの灯りでも、こんなに気分を明るくしてくれること、闇があるからこそ光るものがあること。

ネパールでランプの灯りをともし始めるのは、本日の午後7時。日本より3時間15分遅れなので、午後10時15分頃から、またぼ~っとしながら私もお月見を楽しみます。




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2020年05月03日

宵のお散歩は、特別なギフト

 こんにちは。クズザンポラー。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

ステイホーム週間となった今年の大型連休ですが、週に数回、短時間でいいから外に出て歩く運動をしたくなりました。なるべく人に会わず密度が低く、できるだけ安全にウォーキングをするルートとタイミングを考えると、日没後に近所を歩くのがよいだろうと思いました。東京都内といっても地域差があるので、一概にはいえませんが、私のケースではこれがいいかなぁ。。。

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都立公園などでは、遊具や駐車場にテープを貼り使用禁止になっていますが、こんな横断幕もありました。2メートルはなれて遊ぶって、かなり大変ですよね。鬼ごっことかはできない グループで遊ぶのは難しいから、縄とびとかになるのかな。日没後の公園には、誰もいませんでした。

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お寺の入り口にあった、5月のことば。最新ニュースもとりあげたりされるんですね。

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こちらはミズキ科のハナミズキ、今の時期に花が咲きますね。東京の街路樹でもっとも多く植えられているのが、ハナミズキなのだそうです。ブータンには同じくミズキ科ヒマラヤヤマボウシが6月ころに花を咲かせます。ブータンの人たちは、「ドッグウッド」とか「ドッグフルーツの木」と呼びます。



↑こちらの回で、え?なんでドッグなの?ドッグフルーツ?犬なのという、ちんぷんかんぷんな会話を書いています。結論としては、ドッグウッドは正式な英語名なのですが、それを知らなかった私と、名前は知っていたけどそれが正式な英語名だとは知らなかったブータン人との会話です(笑)

ブータンでも散歩やウォーキング、ハイキングなど、とても楽しく歩けますが、夜に一人で歩くのはちょっと大変です。月明かりのもと歩くのもとても美しいのですが、治安の問題はありませんが、夜には昼間はおとなしかった野良ワンコたちが大運動会をするので、気軽には歩けません。

日本の都会では、日没後の散歩も注意すれば一人でもこわくないなと思いながら歩いていると、マスク越しにでも、植物の香りが感じられました。探してみると、

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どうやらこのお花からです。これは何だっけ??

匂いを嗅いで思い出しました。ジャスミン!このお花は
夜に咲くそうです。南インドなどではこの花を、女性がまとめ髪に飾る姿も見かけて真似したこともあったり、お茶も愛飲する好きな花です。外壁のフェンスに添わせ育てているお宅もあって、こっそりかがせてもらいました。日は落ちているしマスクをした怪しい姿なので、遠慮をしながら今はこの花を見つけると「良い香りをわけてくれてありがとう」と、家主さんにも思っています。

そして、公園の軒下からも良い香りがしました。

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藤の花です。品種も2種に大別され白や紫の花があり、花は夜に香りが強くなるそう。藤棚で大きく育てている公園などもありますね。藤は日本で古来から愛されてきたことが、よくわかる。姿も色合いも、香りもとても懐かしいし、この色合いの着物や浴衣もステキですよね。

この季節に日没後に散歩をするいちばんの醍醐味は、夜の花のかおりだ!と思いました。

調べてみたら、中国の
蘇軾の春夜詩に「春宵一刻値千金」=「春の夜は、なんともいわれぬ趣があり、一刻が千金に値するような心地がすること」と詠み、夜の花の香りについてもふれていました。むか~しむかしから、変わらない情緒があることにロマンを感じます。

もし、宵にお散歩をする機会があったらマスク越しでも?伝わる香りを探したのしんでみてください。


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2014年07月10日

パロ・ゾンを眺めながら乾杯

 こんにちは。クズザンポラ―。

突然ですが、みなさんはストレスが溜まったらどのような方法で解消をしますか?

趣味に集中をしたり、買い物、旅行、歌を歌う、友人や家族と過ごすなどいろいろな方法があると思いますが、その日のうちにすぐに気分転換ができることがいいですよね。

先日、少し落ち込んでいたのですが、タイミング良く同僚が「30分だけ飲みに行こう」と誘われたので喜びんでついて行きました パロの町は夜の8時過ぎにはラストオーダーとなるため、予定なく急遽外出することは少ないのですが、今夜はついて行くよ~

到着したのは職場近くのお店。
お店と言ってもジェネラルストアで、雑貨や食品などを扱い、かつお酒も置いている何でも屋さんです。

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しかし、お店についたのはすでに夜10時前でもうす店じまいといった雰囲気。

でもせっかく来たので、ということで、駆け込んで飲む

ビールはブータン産のビールで1瓶がだいたい80ヌルタム(約123円)くらい。冷えていませんでしたが、もともと冷えていることを期待していないので、それでもいいんです

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こちらは、お店の看板娘さんにブータン産のウィスキーを注いでもらっているところ。ウィスキーは銘柄にもよりますが、地元の人に人気の「ブータン・ハイランド」はだいたい2ショットでビールと同じ金額位です。

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友人は、りんご柄のグラスに注いでもらったウィスキーを、りんごジュースで割って飲んでいました。ブータンの人は、ウィスキーのりんごジュース割とか、レッドブル割とか、コーラ割で飲む人が多いですね。水やお湯、ソーダで割る人もいますが、若い人はこの飲み方が多いです。味は、、、どちらも個性があるので、私からすると別々に飲んだ方がいいんじゃない?と思います。

そして、ブータンの人は「お酒は味よりも早く(安く)酔えればよい」と考えている人も多いです。アルコール成分8%のこのビールでは、1瓶を飲むのもなかなか大変です。


さて、このお店の特徴は、

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ザ・普通の家」っぽいところ(笑)。

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こちらは、インスタントラーメンを作ってくれる台所。この写真だって、誰かのうちの台所にしか見えない(笑)

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お酒を飲む場所は、洗濯物に囲まれた屋根付き野外テーブル。やっぱり「ザ・普通の家」、でもそんな家庭的なところがいいのかな?

でも、写真右上の部分、光る部分を見て下さい。遠くに移るこの建物は、

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パロのランドマークでもある、パロ・ゾン(城)です。夜のパロ・ゾンは夜景でもこんなにきれいなんですよ。遠くにパロゾンを眺めながら見るだけで、急に夜景の付加価値がついて贅沢になった今夜もお疲れの1杯。

たまには、こんな晩酌も良いかもしれませんね。

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:そういうの、やけ酒って言うんじゃないの~

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2010年12月15日

最新デートスポット@ティンプー

 こんにちは。クズザンポラ―。先日、ブータン人の友人が結婚しました。ブータン内の遠距離恋愛を実らせました。そこで、ティンプー在住のお嫁さんに質問。

「プロポーズはどこだったの?やっぱり、ロマンティックな場所・鉄板のBBSタワー?」
『BBSも行ったけど、最近は別の場所がデートスポットとして有名だよ』

それは是非とも行かなくては。新婚さんにおまけで連れて行ってもらいました。

初代デートスポットであるBBSタワーは、ティンプーの北部・国獣ターキンが保護されている動物園エリアやモティタン地区を通り、テレビ塔がある見晴らしが良い場所です。しかし、最近はパロからティンプーへ向かう途中で左側に見えてくる丘の上に、お釈迦様の大仏像を製作中です。そこをブッダ・ポイントと呼び、人気になっています。

朝、お散歩がてらに歩くこと約1時間(チャンガンカ地区より)。道路も整備されています。だんだん遠くに、仏像が見えてきます。途中、ショートカットをしながら進みました。
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途中、ティンプーの街が一望できます。谷の右奥には、タンゴとチェリ僧院、左奥はパジョディン僧院がある方向です。正面には、国王が働くタシチョ・ゾンも望めます。
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11 (6)12月12日は、東ブータンの人々、シャショッパのお正月でした。そのため、昼間はカップルはもとより、家族や親戚が集まってピクニックランチやサイコロのゲーム、伝統競技・クルで楽しむ姿が多く見られました。駐車場まで来ると、さらに大仏様が近づいてきます。まだ工事中のため、柵があり中には入れないのですが、この日はお坊さんも来ていたため、特別に中に入れてもらえました


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みんな大はしゃぎ。有難い大仏様を携帯電話を使って、写真撮影とお祈りに忙しい様子光景。建築途中の様子を見て写真を撮っている姿は、東京スカイツリーに集う風景を思いだします。
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11 (14)こちらのサイトでは、2006年からの過程と詳細があります。道路を作る段階から、内部構造、設計図、最終イメージまで紹介されています。大仏内部には、2万5千を超える仏像が安置されるそうです。
http://www.dordenma.org/

王政100周年を記念し、2007年から開始されたプロジェクトですが、完成までにはもう少し時間がかかりそうです。完成すると、高さ52m世界最大の座像の仏像になります。主なスポンサーは、香港、シンガポールからの支援です。私が最初に見たのは、2007年の秋でしたが、丘の上に聳える巨大な姿に驚きました。ブータンではほとんど大仏がありません。最初は、ティンプーの谷の景観に違和感を感じ、山を切り開き、道路までも作る大工事に少し心が痛みました。でも、こうやってブータンの人々が祈る姿を見ると、喜ばしい事なんだなぁ、と思います。東ブータンのルンツェにも、同じくらい大きなグル・リンポチェの像(既に工事中。スポンサーは台湾が中心)、プナカにはシャブドゥンの大仏を作る予定もあがっています。

デートスポットと言う観点から見ると、お釈迦様の前では喧嘩するべきではない、と考えるため、ピースフルになり、更に仲良くなれるそうです。
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本当かなぁ。更に、夜に再度行ってみました。夜のデートスポットでもあるそうです

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綺麗ですね!
ブータンではほとんど無い2車線道路の光が帯のように連なり、家の灯りが煌めいています。ここでまた、電化政策を思い出しました。ここにデートに来るのは納得。確かに、夜でも結構な割合で車が往来しています。カップルもいるし、若い友人同士で談笑している姿も。

ブータンで一大告白をされたい方、ブッダポイントはおすすめです。お釈迦様のご利益付きで、更なる幸運がやってくるかもしれません。
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2010年11月27日

ブータン夜の遊び方・カラオケ

 こんにちは。クズザンポラ―。最近は、ブータンの田舎の良さについてご紹介していたので、今日は、パロの町・夜遊び編です。ブータンにも、最近は夜に若者が集まる場所が出来てきました。

 ひとつは、パーティ、とみんなが呼ぶ、週末に開催されるクラブ。まだ行ったことがないので、詳細はそのうちご紹介します。18 (1)ビリヤードも人気があります。

そして、週末だけでなく、通常の日も楽しめるのがカラオケです。今回は、パロの町のなかにあるカラオケバー『FUSION』のご紹介です。
ブータンでは火曜日をドライデーとしている場所が多いので、火曜日はお酒が飲めなかったり、定休日だったりするのでご注意下さいね。


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さて、ほとんどの店が8時過ぎには閉まる中、店に灯りが灯っているドアを開けましょう。そして、まずは、飲み物の注文です。アルコール以外もありますが、お酒やカクテルも充実しています。バーテンダーのお兄さんが、おススメも教えてくれます。
18 (6)ブータンでは地酒の他に、ラム酒やウィスキー、ビールも充実しています。私の個人的なおススメは、ウィスキーです。種類も多くあり、ブータン産のものは10種類程度あると思います。騙されたと思って、飲んでみて下さい。クセもないし、すっきりしたものから、フルーティーなものまでいろんな味が楽しめます。
また、他の物価に比べてお酒が安い!以前、スナックのママのお話をご紹介しましたが、この国では駆けつけ一杯、の姿もよく見ます。



さて、本題のカラオケですが、店の中にカラオケ機器は1つ。テレビのモニターが豪華にも2つ。でも、、、、お店はいつも貸し切りという訳ではないですよね。
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「じゃあ、最初に入ったお客さんが歌い終わって、帰るまでずっと待つの?」

『違うよ、みんなで一緒に歌うんだよ』


なんか、仲良く、楽しそうでいいですよね。そして、実際、みんなで歌う、ということが盛り上がって面白いんです。そして、このお店にお客さんがたくさんいて楽しそうな様子だと、通りかかった人も入店し、さらに人数がぞくぞくと増えていくという不思議な体験。
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カラオケの機器自体は中国のものでした。そのため、中国語もあります。残念ながらゾンカ語の曲はないので、ブータン人は英語の曲から選んていました。

そして、なんと、日本語の曲のリストも3ページほどありました!!!

ちなみに、お店の支払いのシステムは、入場料は無料、歌を何曲うたっても、何時間いても料金は同じ。支払うお金は、飲み物代だけです。飲み物代は、通常の定食屋さんなどより、1.5倍程度、料金が高めに設定されていますが、カラオケ代も全部そこに含まれます。

『ブータンでカラオケなんて、イメージが崩れる』と思わずに、これはこれで、最先端の流行りものの中でも感じるブータンらしいおおらかさがあり、新鮮です。

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