飲料水
2017年10月04日
パロのメーンストリートは水道管工事中
こんにちは。クズザンポラー。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
私の暮らすパロの街のメーンストリートは、ここ数年で随分とツーリスト向けの店舗、ハンディクラフトの名がつくお土産屋さんや、コーヒーやスィーツを出すカフェが増えました。しかし、まだまだ風情のある街並みです。
メーンストリートではブータンの伝統建築のデザインを残したものが多く、壁が大きく入り口は小さめ、窓枠も大きくはないのでショーウィンドウとしてのスペースは大きくは作れず、外観をパッと見ただけでは外国人の私達にしてみれば、住居なのかお店なのか、お店でも何屋さんなのかがわかりにくいと感じると思います。
一つの建物にいくつかの店舗が入っていて、2階建てまたは3階建ての建物が多く、外階段と内階段を使い分けている所が多いですね。
昔からあるメーンストリートは道路1本で、車道の左右に昔ながらの建築が多いゾーンが繋がっています。その街並みにある建物をパッと見ると、
お家っぽいですよね。でも窓からはお土産物が並んでいる様子がわかります。中に入ってみて、二階に上がってみると
うん、こんな感じ。木材の床で、民家のつくりをそのまま受け継ついだ感じが出ています。ブータンでは、お店と住居が一つのビルに混在することもできるので、お店の2階をそのまま住居にしたり、生活のほとんどをそこで過ごしているお店の店員さんも多いのです。
先ほどと同じお店の中にある台所をのぞかせてもらいました。台所には水道がひかれ、プロパンガスや電気調理器具があったり、ここで生活ができるのも納得。ブータンの家庭では、家電の優先順位を付けるのであれば冷蔵庫はそんなに重要視はされていません。冷たいものを食べるとお腹を壊す、という人も多いし、ビールだって今までは冷たくして飲むなんていう習慣はありませんでした。
台所の写真を見てみると、大きなバケツに水を溜めているのがわかります。
というのも、ブータンでは物件や立地によって水道水の制限がある場所が多いのです。町の中での生活で「全くでない」というケースは少ないですが、時間帯による計画的な断水や、冬場の水源の凍結など季節による影響などで水仕事に困ることはありがちです。
こちらはお手洗い。トイレの写真は控えめサイズでご紹介。
お手洗いや洗面所等にも水を溜めていることはよくあって、手桶に水を汲んで流します。お手洗いは、今でもレバーを流して水洗されるシステムではなく、和式・洋式ともに手桶で流す場合も結構多いですね。写真で見ると伝わらないかもしれないのですが、床掃除にも水を使い清潔に使っている家庭が多いですね。公衆トイレはきれいな場所とそうでない場所にわかれますが、家庭ではきれいにしている印象があります。
外国人の私たちから見るとブータンは河川が多く自然の山林に囲まれているため、水が豊富で水不足ではないと思われがちですが、水源は氷河湖が多く、また高所ではヤクなどの動物が放牧され糞をしたり、上流の人里離れた村では下水管理が完全には徹底されておらず、無意識に下水や生活排水が川に流されていることもあります。そのため、実は濾過して飲料用に使える水は限られています(詳しくはこちら)。
パロのメーンストリートを少女と一緒にお買い物をしていると、
車道とお店などが並ぶ建物の間を、掘り返して工事中の様子がわかります。
あっち側も、
こっち側もずらっと掘り返し中。
実はパロのメーンストリートでは、朝8時~夕方5時までの間は水道の蛇口から水が出るそうですが、この時間帯以外は断水中。水道管が細いため、人口と家屋の増加、洗濯機などの使用が増えた、飲食店が増えた等の理由により供給が間に合っておらず、そのため水道管の工事中なのです。
人々が歩きにくいことはもちろんのこと、お店の側までぎりぎりに駐車ができず、足元が悪いなか商品の運搬がしにくいのですが、そんなときの解決策は・・・・
トラックからお店の前に向かって投げる!!!
あの~~ それ、商品だからね。落としたら大変だからね。人にぶつかったら危ないからね。
別の視点から見ると、よくそんな大きな箱を勢いよく投げられるね、いい肩してる!結構な距離と重さがあると思うんだけど。。。投げる側は受け取る人を考慮してなのか、直線的には投げていませんでした(^_^) でも、そういえば・・・別に水道管工事をしていない期間中も、商品運搬のために投げていることは良く合ったような・・・
何はともあれ、早く工事が終わって安全に歩けて、水問題が解決して、街の景観が戻りますように。ここ1か月であまり工事の進展がみられていないのですが、年内には終わるかな。。。。
:水は生活に本当に大切です!!
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2015年07月05日
ブータンのミネラルウォーターと飲料水
こんにちは。クズザンポラー。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
最近、ブータンのミネラルウォーターに新しいブランドが登場し、ちょっとうきうきして写真を撮ってみました。
「VEEN」というお水です。
実はVEENはフィンランドのブランドで、最近ブータン国内の水源からもこの名前で販売されています。
ここからは、ちょっと私もこのブランドをうまく説明できるかわからないのですが、私がブータンで得た情報を元に書いてみます。理解があっていると良いのですが
フィンランドのVEENは、お洒落でスリムなボトルのデザインで人気があり、フィンランド・ラップランドからの湧水を水源としたものを、VEENブランド内では「SMOOTH SPRING WATERS」と分類し、5種類の味・種類があるそうです(ベルベット、ライト、クラシックなどがあり、瓶の色がちょっとずつ違う)。同じブランド商品で、さらにそこから「水の味にも選択肢がある」というのは驚きです。
ブータンで販売されているのは、「クラシック」と「スティル」の2種類でラベルの底の部分に違いが書かれています。私が飲んだ感覚をごく単純に言うと、クラシックは炭酸が含まれたスパークリングウォーター、クラシックは通常のミネラルウォーターです。
ブータンのサムツェ県に水源があり、VEENブランド内では「NATURAL MINERAL WATERS」と分類され、カルシウムやマグネシウムなどの貴重なミネラルが豊富に含まれているのが特徴とあります。
要はVEENの商品には、フィンランドとブータンからの水源の水を管理して販売しているということですよね。
もともと私はスパークリング・ウォーターが好きなので、「ブータン産のヒマラヤの炭酸水が飲める~」とうれしくなりましたが、お値段は660mlの瓶で120ヌルタム程度するため、国産のものと比べると5~8倍程度のお値段になりますが、きっと日本でも購入できるようになるかもしれません。
ブータン国産のミネラルウォーターですが、
このようなものがあります。左側は中央ブータン・ブムタンの水源のミネラルウォーターでラベルを見てみると、
クジェ・ドゥプチュとあります。そう、これは以前にご紹介した「クジェの天然水」と同じ場所です!冬は格段に寒いブムタン地方ですが、この湧水は一年を通じて凍ることなく清らかで安全な飲料水となるので、いつ行っても地元の人々がポリタンクを抱えてやってきます。
こんな小さな女の子だって立派にお手伝いをするし、
女性の井戸端会議にもなりますし、またお坊さん達だって水汲みにやってきます。
ブータンでは1961年の最初の5カ年開発計画で水と衛生施設の整備を優先することをはじめ、1992年には第四代国王により、「水と公衆衛生施設の整備はブータン国民の基本的な権利である」と宣言されました。これらが整備されることで、乳幼児死亡率が下がり、直接的・間接的にも医療費が節約され、生活の質などが改善されてきました。それでも遠隔地や寺院や学校、地域差、経済格差をなくすためにこれからも更なる改善や維持が必要です。
以前にも書きましたが、外国人の私たちから見るとブータンは河川が多く自然の山林に囲まれているため、一見すると水が豊富で水不足ではないと思われています。しかし水源は氷河湖が多かったり、高所ではヤクなどの動物が放牧され糞をしたり、上流の人里離れた村では下水管理が完全には徹底されておらず無意識に下水や生活排水が川に流されていることも多く、実は飲料用に使える水は限られています。
天然水を飲料水として使えるケースを除けば、煮沸したりフィルター使わなければたとえ蛇口をひねった水でも、そのまま飲むことはしません。注意しないと私のようにジアルジア症(通称・卵ゲップ病)になったり、他の感染症の原因になることもあります。
ただブータンで観光でいらっしゃる方で、疾患された方はほぼいないと思います。ミネラルウォーターを飲んでいれば大丈夫です!!
下水整備や公衆衛生の教育はとても重要ですし、ブータンの学校では手洗いの重要さを授業参観のときなどに親子に教えています。
さらにブータンでは洪水を原因とする治水対策が重要な課題であり、日本もその技術協力をしています。
現代の生活では身近に安全に低価格で飲料水を手に出来る日本人の私達には、特に忘れてはいけないことがあります。
地球のうち淡水は2%しかなく、陸上の生き物が利用できる水は0.01%しかないということ。
世界には9億人の水に恵まれない人々がいること、水はみんなの共有財産であること。
水の問題は、同じ地域や国で暮らしていても貧富の格差がでやすい問題であること。
また水汲みは重労働であり、一般的には女性と子供の仕事とされることが多く、安全にもっと身近に飲料水が手にできれば、学校に行く子供も増え、女性が社会進出する可能性にもつながります。
私はミネラルウォーターを飲むことがあるし、それは健康のために必要です。病気になってお医者さんにかかると、医療費が外国人にも無料なブータンでは、より国に負担をかけることになってしまいます。そのありがたみに感謝をして、ペットボトルと瓶はリサイクルに出しています。観光でいらっしゃった方も、ペットボトルを観光先で捨てずにホテルのゴミ箱に捨てると、リサイクル率が高くなるかもしれません。
改めて水の恵みに感謝をし、世界の子供たちや人々が安心して暮らせるように環境が整うことが大切だと思いました。水は長い旅路をへて循環し、そしてまた自分達のところにもどってきます。
台所でお鍋を洗う前に少しでも汚れを新聞紙などで落としたり、できることも身近にありますよね。
:アースデイの日に木の水やりのかわりにおしっこはしないって宣言したもん!(守れているかな?)
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2015年03月24日
ブータン巡礼の旅 5 ~クジェの天然水~
いつもブログをご訪問いただき、ありがとうございます。本日は、夕方から大粒の雹が降り始め、荒れた天候となったパロ谷です。今回も引き続き、1月中旬に訪れた「ブータン巡礼の旅」の続きです。
さて、お寺の多いブムタン地方の中でも名刹といわれるクジェ・ラカンを参拝した後は、お寺のすぐそばにある丘の中腹まで、5分ほど歩いて登ってみましょう。
そこには、ポリバケツやタンクを持った人々でいつも賑わっています。
いつみても、こうやって何人もの人が並んでいるんですよ~
クジェ・ラカンのお寺の周りは、108の仏塔(ストゥーパ)で囲まれているのですが、この仏塔がある手前に駐車場があり、その近くに小道があります。
さて、なぜみんなが容器を持ってここまできているかというと、
ここには天然水が流れて、日常の飲料水をして使用するために汲みに来ています。ブータンは河川が多く、自然の山林に囲まれているため、一見すると水が豊富で人々の生活は水不足で困るようには感じないと思いますが、水源は氷河湖であり高所ではヤクなどの動物達が放牧され糞をしたりするため、実は飲料用に使える水は限られています。
一般の家庭でも、水道水や湧き水を一度煮沸してからフィルターに通して使用します。予断ですが、、、水には注意しないと私のようにジアルジア症(通称・卵ゲップ病)に罹りますからね
そのため、こうやって天然の湧き水を汲みそのまま飲料水として使える水源は、ブータンの人々にとってとても貴重なものなのです。
こ~んな小さな女の子も一生懸命お手伝いをしていました。ポリ容器がすでに体の半分くらいの大きさですよね、えらいえらい
伝説では、この水源は8世紀にブータンに仏教を伝えたとされるグル・リンポチェにより通されたものとされ、神聖なものとされています。
近所のお坊さんも、たくさんのポリ容器を持ってやって来ました。この後、水が全部入ったとしてこの量を運ぶことができるのだろうか・・・・と勝手に心配。車でやってくる人もたくさんいました。
そういえば、ずいぶん昔の5年以上前は、パロ谷でもこのクジェの天然水を使ったミネラルウォーターがボトルで販売されていました。最近はパロではほとんど見かけませんが、こうやって地元の人に大切にされているのであればなんだかうれしいです。
このような天然の湧き水があり、その歴史には宗教的な話がある場所の水のことを「ドゥプチュ」と呼びます。チュ、は水のことですね。
このブログではブータンの温泉シリーズもありますが、ブータンでお風呂や温泉に関係するものとして
1.ドツォ (石焼きのお風呂)
2.メンチュ (薬水、聖水の意味)
3.ツァチュ (温泉)
の3つがあるのですが、ドゥプチュは薬水とされるメンチュにも似ています。メンチュはあまり宗教的な背景はなく、主にお風呂に使用されるものに対し、ドゥプチュは飲料水として使われることが多いですね(詳しくはこちら)。
あ~こんなことを書いていると、
また温泉に行きたくなってしまうっ。そして、まだ書いていない温泉の情報も眠らせています・・・いつか書きます。
話がそれてしまいましたが、
このクジェの天然水は触ってみるとそんなに冷たくなく、寒冷地のブムタンの冬でも凍ることがない、ありがたい存在ですね。水はさらさらで、くせの無い味です。それになんといっても聖水ですからね!
パルダンさんも、美味しそうに召し上がっていました
クジェの聖水で清めた後は、まだまだお寺参拝が続きます。
2014年10月13日
みんなで手を洗おう
私も先週末は、同僚と一緒にパロ谷にある小学校の保護者参観へ出かけてきました。保護者といっても、ブータンのお父さん・お母さん、兄弟姉妹やおじいちゃん、おばあちゃん達、それから私のような知人でも参観していました。
さて、どんな目的で保護者も一緒に呼ばれたのかな?
今回は、どうやら運動会ではなさそうです。以前、幼稚園の運動会を参観したときは、ブータンの伝統衣装を着て小さな子供達が、レディー・ガガの曲に合わせて踊る姿は衝撃でした(詳しくはこちら)。でもそんなところからも、現代のブータンの姿が見えますね。選曲は先生の趣味だったのかなぁ??
先生のお話を聞いてみると、どうやら衛生についてのお話です。
児童代表の女の子達が、手洗いのステップについてデモンストレーションをしています。
ちゃーんと、指と指の間まで、手首まで石鹸を泡立てて洗うことが大事でーす。
そんな子供達のデモンストレーションや先生のお話を親たちも真剣に取り組んでいました。ブータンでは、食事の前には炊いたお米で、両手のひらの間でご飯を練るように丸める習慣があります。これはおそらく、昔は農作業中や森林の中での食事の際など、身近なところに水道がなかったため、ご飯で手の汚れをとっていたのではと言われています。
ブータンの特に地方では、まだまだトイレや手洗いの水場の環境などが整っていなく、健康を保つための衛生管理は途上中です。食中毒やO157、サルモネラなどの感染症もありますが、手を洗うことで守れることも多いです。外国人が気をつけないといけないのは特に、、、水を介して感染する可能性がある通称卵ゲップ病(ジアルジア症)があります(詳しくはこちら「病院へ行こう」)。
学校では、先生が児童に教えるだけでなく、各家庭でも親が見本となって手洗いを教えるようにという目的もあって、保護者参観としていました。大人も、子供も、こうやって知っていくことが教育の一歩なのですね。
そして、、
児童による手洗いをすすめる、ブータンの踊り。日本だったら、きっと、ばい菌マンと手洗い君とかが登場して、寸劇をしたりするような場面です。ここで踊るのがブータンらしいなぁ、と思います。
最後は、お父さんもお母さんも、みんなで手を洗いました。子供達から保護者達に水をかけて流している姿が、なんとも和やかでいいですね。
みんなで手洗いをして、健康で元気に過ごしましょう。
:手だけじゃなくて、全身洗っちゃうよ